1月
19
2013

【司会】
クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所所長)

【ディスカッサント】
坪郷實(早稲田大学・社会科学総合学術院 教授)

【要旨】

本講演ではまず、議会制民主主義が長期的な課題、特に環境問題に対処することができない理由を明らかにする。その際に依拠するのは、グローバル性、不可視性、予測不可能性、慣性と不可逆性、排出量と汚染の対峙など環境問題固有の特徴である。

次に、そのような困難に対する回答として英語圏やフランスにおいて見受けられるまやかしの言説を紹介し批判する。代議制の改革、討議民主主義、専制的システム、代議制でない政体、さらには崩壊などだ。

最後に、共著者であるケリー・ホワイトサイドと共に提唱している »エコ・デモクラシー »の提案を紹介する。法律を採択することはしないが拒否権を持ち、既存の両議院の対抗勢力となり刺激ともなる役割を果たす代議制でない第三の議院の創設である。

【プロフィール】

2006年よりローザンヌ大学教授。専門は政治哲学および環境哲学(持続性可能性やリスクの問題、公論、エコ・デモクラシー)。近著にVers une démocratie écologique. Le citoyen, le savant et le politique (Seuil, 2010 )、 Pour une 6e République écologique (Odile Jacob, 2011)があり、また2013年には Du Risque à la menace. Penser la catastrophe (Puf) および La Pensée écologique. Une anthologie (Puf)を出版予定である。

【主催】日仏会館フランス事務所
【協賛】アンスティチュ・フランセ、在日フランス大使館文化部

『エコ・デモクラシー』(明石書店)

関連データ:

» flyer-eco-democratie_01-02.pdf (プログラムのフライヤー)

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。