4月
08
2016

フランスでも日本でも、先史考古学、原史考古学(日本では弥生末~古墳時代)、そして古代考古学の形成については、その歴史的、学術的、あるいはイデオロギー的な背景が知られている。一方、それらに続く中世考古学については、あまり語られることがない。しかし、中世考古学は何十年も前から、物質文化や技術文化を議論し、文字史料の記述に再考を迫り、封建社会の生活と具体的構造に光を当てるなど、多大かつ独創的な成果を歴史研究にもたらしてきた。その上、フランスと日本とでは、より古い時代の考古学の歩みは異なっているが、中世に関する発掘調査はほぼ同じ1960年代末から1970年代初頭に始まっている。

【講演者】

リュック・ブルジョワ
カーン大学考古学教授、研究雑誌『中世考古学』編集長。城と都市の考古学、5世紀〜13世紀の物質や貴族文化、中世研究史など様々なフィールドを専門にしている。著書に『居住・防御・示威―西南フランスの貴族居館と城塞の考古学の最新動向』(APC、2014年)がある。

小野正敏
人間文化研究機構元理事、日本貿易陶磁研究会会長。日本の中世考古学の第一人者。著書に『戦国城下町の考古学―一乗谷からのメッセージ』(講談社、1997年)など。

【ディスカッサント】中島圭一 (慶應義塾大学)、ロラン・ネスプルス(日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所
【共催】カーン・ノルマンディ大学 古代・中世歴史考古学研究所、慶応義塾大学
【後援】日仏美術学会

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。