ロラン・バルトが書かなかった本
[講演会] アントワーヌ・コンパニョン(アカデミー・フランセーズ/コレージュ・ド・フランス名誉教授)
18:00〜20:00 1階ホール フランス語
ロラン・バルトは注文に応じて書くのを常としたが、彼が夢見ていたのはいっさいの依頼から逃れて〈作品〉を書くこと、それに打ち込むことだった。できれば注文の断わり方を心得て、肝心なことの執筆に備えたいと願っただろう。ただし公刊するためではなく、ただ〈書く〉ために、自動詞的に書くために。依頼や注文に対する彼の態度は非常に両義的で、薬でも毒でもある依存薬物を摂取した人のふるまいのように、隷従と反抗とが入り混じっていた。
【司会】中地義和(東京大学名誉教授)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【協力】日本学士院