声なき者たちの声ープロソポペイア、文学と哲学の間の比喩形象
[講演会] ブリュノ・クレマン (パリ・リュミエール大学共同体/パリ第8大学、フランス大学学院)
18:30〜20:30 1階ホール フランス語
人間の声は思考にとって手強い相手である。肉体的であると同時に精神的で、言葉と歌の媒体で、発する語にイントネーションで味わいを加え、動物的であると同時に人間的で、つまるところ、声は自然である。けれども、それだけではない…。本講演は、プロソポペイアという比喩形象から出発して、この本質的な曖昧さを追究する。プロソポペイアは、不在のもの、死者、超自然的なもの、さらには無機物にも声を与えることで、それが作り出すテクストにつねに教訓的な奥行きを与える。プロソポペイアを使うことで、哲学者や理論家(プラトン、ルソー、ニーチェ、フロイト、フーコー、レヴィナス)、詩人や小説家(ベケット、ブランショ、ドゥギー、サロート)は、通常の慣習的な言説を超えて、異質で時ならぬ声――もう一つの声――を聞かせる。良心の頂点から聞こえる真実の声、気難しい声、道徳的な声。垂直に降りてくる声。
ブリュノ・クレマン
元国際哲学コレージュ院長(2004年-2007年)。パリ第8大学教授、フランス大学学院会員。現在、パリ・リュミエール大学共同体学術委員長。著書に、『特性なき作品――サミュエル・ベケットの修辞学』(Seuil, 1994年)、『読者とそのモデル』(PUF, 1999年)、『注釈の発明――アウグスティヌス、ジャック・デリダ』(PUF, 2000年)、『方法の物語』(Seuil, 2005年)、『垂直に降りてくる声』(Belin, 2012年)など。
【登壇者】ブリュノ・クレマン (パリ・リュミエール大学共同体/パリ第8大学、フランス大学学院)
【ディスカッサント】郷原佳以 (東京大学)
【司会】澤田直 (立教大学)
【主催】(公財)日仏会館、日仏会館フランス事務所
【助成】 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
【後援】水声社
同時通訳
* ブリュノ・クレマン氏は4月19日18 : 30~20 : 30に日仏会館501会議室でセミナー「哲学者と文体の問題」を行います。