鉄のペン――メタファーと現実
[講演会] アントワーヌ・コンパニョン(コレージュ・ド・フランス)司会:中地義和(東京大学)
18:30〜20:30 1階ホール フランス語
« Fléaux littéraires. Le spadassin de lettres » フィガロ紙, 1839年5月16日.
(Source:http://gallica.bnf.fr// Bibliothèque nationale de France)
「文学は高度なスポーツだ」とは、フィリップ・ソレルスの最近の言である。「鉄のペンで鋼(はがね)の紙に」――1562年、カトリックと王朝の大義を擁護せんとする闘士ロンサールは、カトリーヌ・ド・メディシスにまさしくこの流儀で訴えた。エドワード・ブルワー=リットンは1839年の史劇『リシュリュー』で、「ペンは剣よりも強し」と自作を要約した。ゴーチエは 、彼の創造になる人物フラカス親分のモデルであるスキュデリーが、「剣を置いてペンを執り、いずれ劣らず巧みに使いこなした」ことを想起させた。ホメロスやヘシオドス以来、詩とはまた格闘技、ないし拳闘でもあった。19世紀には、文学における決闘や痛罵がいたるところで問題になる。20世紀でそれを引き継ぐのは、ヘミングウェイやモンテルランにおけるボクシングのイメージである。本講演では、「鉄のペン」、そして「文学的剣術」のメタファーの歴史が探索されるだろう。
【主催】日仏会館フランス事務所
【共催】東京大学、日本フランス語フランス文学会
※アントワーヌ・コンパニョン先生は、2017年5月28日に東京大学にて開催される国際シンポジウム「150年後のボードレール」 に参加されます。
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