9月
26
2014

陸前高田 2004-2011 撮影:畠山直哉

※ 講演会に先立ち、写真家畠山直哉氏の作品をスライドでご紹介いたします。

【要旨】
大惨事を写真の題材として扱うときには、通常、崇高な美学の鏡を通して表現することで、我々の無力な想像力をはるかに超えた混沌や現実を伝えようとする。しかし一方で、意図的に和らげられ、現実とは必ずしも一致しない、そしてどこか取り繕われた美しさを通してでも、惨事やその猛威、あるいは災害によって生じた亀裂を再現することができるのではないだろうか。今回の講演では、写真家、畠山直哉の作品を鑑賞しながら、大災害のどのようなコンテクストのなかで、表面的な美しさや深い痛みといったイメージの重層性が生まれてくるのかを探ってみたい。

【プロフィール】
クレリア・ゼルニクはパリの高等師範学校に学び、哲学のアグレガシヨン(大学教授資格)と博士号を取得。現在、パリのエコール・デ・ボザールの教授として、芸術哲学を講じている。これまで数度にわたり、日本(早稲田大学や東京大学など)に滞在し、研究や調査を行っている。現在、東日本大震災が日本の現代美術に与えた影響をテーマに取り組んでいる。これまでの代表的な著作は以下の通り。
Perception-cinéma. Les enjeux stylistiques d’un dispositif (Vrin, 2010)
L’Œil et l’Objectif. La psychologie de la perception à l’épreuve du style cinématographique (Vrin, 2012)
Chorégraphies. Les Sept Samouraïs d’Akira Kurosawa (Yellow Now, 2013)

【ディスカッサント】 三浦哲哉(青山学院大学)

【主催】 日仏会館フランス事務所 
【助成】 アンスティチュ・フランセ(パリ)、在日フランス大使館/アンスティテュ・フランセ日本 
【協力】 日仏哲学会、法政大学

※ 尚、9月25日(木)にも法政大学市ヶ谷キャンパスで講演会が予定されております。
http://hijas.hosei.ac.jp/tabid/1323/Default.aspx

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。