グローバリゼーションの人類学:課題、理論、方法論
[講演会] ローラン・ベルジェ(フランス国立社会科学高等研究院)
18:00〜20:00 601号室 フランス語
*定員に達したため、お申し込みを締め切らせていただきました。
グローバル化の比較人類学についての研究プログラムのひとつである本講演会では、社会科学のグローバルな転換への貢献、グローバル化という現象のさまざまな捉え方、グローバル民族誌学の枠組みにおけるこれらの現象の調査方法(多数の場所やケースにおけるフィールドワーク、拡張ケーススタディ)、人類の歴史を通して区別し研究するさまざまなタイプのグローバル化(狩猟術間、民族間、帝国または資本主義のグローバル化)を取り上げる。
人類学的アプローチの特性は、何よりも、一連の特異な人間の実践を民族誌的に記述することにある。それは、地方や州、地域、大陸の間の人口(人間、動物、植物、微生物)、富、情報、技術、権利の移行、あるいはある政治形態から別の政治形態に移行する際の暴力の形態などについてである。問題は、まず、誰が、なぜ、どこで、どのように流れを作り、場所をネットワーク化し、活動領域と人口の異なるカテゴリーを、国境の両側で、そして特定の領土の境界で、互いに並置し絡み合うように相互接続させるかである。また、このようにして繋がれたすべての活動領域の社会的・文化的変化を把握することである。グローバル化現象に典型的なこの相乗作用を、行われた移行の性質、現れた変化の性質、そして政治体制と国境のつながりとその交差の性質を特徴づけることによって明らかにしたい。
プロフィール:
フランス社会科学高等研究院教授。「グローバル化の人類学」講座主宰、コレージュ・ド・フランス社会人類学研究室研究員。マリ、そしてマダガスカルにおいて民族誌学的かつ歴史誌学的観点から研究を進める。著書に、Histoire globale, mondialisations et capitalisme (2009), Altérités, inégalités et mobilités dans les îles de l’océan Indien (2014)などがある。現在、 Anthropologie de la mondialisation. Une royauté malgache au défi du capitalisme の出版を予定している。ミシガン大学人類学部(2019年)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(2007年)、ブエノスアイレス大学フランス・アルゼンチンセンター(2013年)、同志社大学地球科学部(2015年)に客員教授または招聘研究者として在籍した。
【司会】ラファエル・ランギヨン(日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所