14世紀における荘園制の危機?ー訴訟文書からみた中世日本の農村社会の変容ー
[講演会] ディミトリ・タトヤン(フランス国立科学研究センター)
18:00〜20:00 601号室&オンライン フランス語
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12~16世紀の中世日本において、大半の人々は荘園公領制の下で暮らしていた。この点で、荘園公領制は日本中世史全体、特に村落住民の歴史や中心部と周縁部の関係を研究する上で無視できないものである。本発表では、13世紀末から14世紀初頭の、荘園社会の様々なアクター間紛争の分析に焦点を当てる。特に荘園住民から領主に宛てた「申状」は、荘園の構造がうかがえる文書であり、荘園住民と領主代表者との関係性を知る手がかりとなる。一揆とは異なるこれらの紛争の分析を通じて、荘園内部の社会・経済的変化を示すことを試みる。
ディミトリ・タトヤンは、フランス国立科学研究センター・欧州研究協議会研究費ジェイ-イノヴァテック研究員。2015年から2019年に日本政府(文部科学省)国費留学生として学習院大学に留学。2022年にパリ文理大学-高等研究実習院(PSL-EPHE)で博士号取得。博士論文の題目は「12世紀〜15世紀の塩の生産・流通及び荘園制の変遷:伊予国弓削島荘を中心にして」。現在は19世紀、特に瀬戸内海地域におけるイノベーションと異なる産業部門間のノウハウの循環を長期的視点から研究している。
【司会】デルフィーヌ・ヴォムシャイド(日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所