1月
12
2012
  • 要旨:

    2011年12月にパリで刊行予定の La Civilisation du Journal : histoire culturelle et politique de la presse française au XIXe siècle(新聞の文明:19世紀フランスにおける印刷メディアの文化的・政治的歴史)は、歴史、文学、コミュニケーション分野の研究者60名を執筆者に迎えた共同研究の成果であり、印刷メディアの歴史全体を再考しようとする野心的な試みである。この仕事の一部は確かに新聞の技術的・物質的・政治的あるいは経済的歴史を更新する作業にあてられているが、プロジェクトの核心は別の所にある。それは、新聞が、その製作方法の特徴や発行部数の規模そして日常に新たなリズムを作り出したことなどによって、いかに人々の活動、世界についての評価の仕方や世界の表象の仕方の全体を大きく変化させたのかを明らかにすることである。それらは定期的に継続して発行され続けるメディアが作り出す一つの文化、ないしは一つの「文明」にすべて投影されている。

  • プロフィール:

    パリ第1・パンテオン・ソルボンヌ大学教授。同大学の歴史学研究科博士課程の研究科長を務める。犯罪史、違法行為史および大衆文化史が専門で、この分野について L’Encre et le sang (Fayard 1995), Naissance de la police privée (Plon 2000), La Culture de masse en France (La Découverte 2001), Crime et culture au XIXe siècle (Perrin 2005), Biribi : les bagnes coloniaux de l’armée française (Perrin 2009) など10冊ほどの著作を刊行している。2012年にSeuil社から刊行予定の Histoire des bas-fonds の執筆を終えたばかりである。

  • 共催:日仏歴史学会
* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。