合わせて80年を振り返る―文学の教師として、研究者として― *中止
[討論会] アントワーヌ・コンパニョン(コレージュ・ド・フランス)、中地義和(東京大学名誉教授)
18:30〜20:30 1階ホール
*中止:新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、こちらのイベントの開催を見送ることとなりました。あらためて開催する場合にはまたお知らせいたします。参加を予定されていたみなさまには申し訳ございませんが、ご了承いただけますようお願いいたします。
2006年以降コレージュ・ド・フランスで「フランス近現代文学――歴史、批評、理論」講座を担当し、今年70歳の定年を迎えるアントワーヌ・コンパニョンの教育・研究歴は45年、一昨年東京大学文学部を定年退職した中地義和のそれは約35年です。世界のフランス文学研究の中枢を担ってきた前者と、外国文学としてのフランス文学の教育・研究に携わってきた後者が、合わせて80年に及ぶ歩みをそれぞれの立場から振り返ります。
アントワーヌ・コンパニョン
1950年、ブリュッセルに生まれる。十代の数年をアメリカ合衆国で過ごす。理工科学校、国立土木学校という理系エリート校二校を卒業するが、並行して文学への関心を抱きつづけ、まもなく本格的な文学研究を志す。1985年以来今日まで、ニューヨークのコロンビア大学教授、フランスではパリ・ソルボンヌ大学教授(1994年‐2006年)を経て、2006年からコレージュ・ド・フランス教授として「フランス近現代文学――歴史、批評、理論」の講座を担当している。とくに関心を寄せるモンテーニュ、ボードレール、プルーストに関する著作と並んで、文学史、文学理論の面での重要な仕事が数多くある。
主な著書(邦訳のある単著)
- La Seconde Main ou le travail de la citation, Seuil, 1979.『第二の手、または引用の作業』(水声社、2010年)
- Les Cinq Paradoxes de la modernité, Seuil, 1990.『近代芸術の五つのパラドックス』(水声社、1999年)
- Le Démon de la théorie, Seuil, 1998.『文学をめぐる理論と常識』(岩波書店、2007年)
- Les Antimodernes, de Joseph de Maistre à Roland Barthes, Gallimard, 2005.『アンチモダン 反近代の精神史』(名古屋大学出版会、2012年)
- Un été avec Montaigne, Équateurs, 2015『寝るまえ5分のモンテーニュ』(白水社、2014年)
- L’Âge des lettres, Gallimard, 2015『書簡の時代――ロラン・バルト晩年の肖像』(みすず書房、2016年)
(邦訳のない単著)
- La Troisième République des Lettres, Seuil, 1983.
- Proust entre deux siècles, Seuil, 1989.
- Baudelaire devant l’innombrable, PUPS, 2003.
- La Classe de rhéto, Gallimard, 2012.
- Baudelaire l’irréductible, Flammarion, 2014.
- Les Chiffonniers de Paris, Gallimard, 2017. など。
中地義和
1952年、和歌山県に生まれる。東京大学教養学科卒、同大学院人文科学研究科博士課程修了。パリ第三大学付属東洋言語文明研究所で日本語講師を務める(1982-83)。85年パリ第三大学博士(第三期課程)。1986年東京大学助手、88年同助教授、1996年同教授。2018年に定年退職。専門はフランス近代文学、とくに詩、なかでもランボー。ランボー作品の翻訳・解説、およびランボー、ボードレール、ヴェルレーヌらの作品論のほか、フランス近代詩の日本における翻訳・受容の問題にも関心を寄せる。また、ル・クレジオ、ロラン・バルト、アントワーヌ・コンパニョンらの翻訳紹介を行なっている。
主な著訳書
- Combat spirituel ou immense dérision. Essai d’analyse textuelle d’Une saison en enfer, , José Corti, 1987.
- 『ランボー 精霊と道化のあいだ』、青土社、1996年
- 『ランボー 自画像の詩学』、岩波書店、2005年
- 『ランボー全集』(共編訳)、青土社、2006年
- 『対訳ランボー詩集』、岩波文庫(2020年6月刊行予定)
- ル・クレジオ『ロドリゲス島への旅』(朝日出版社、1988年)、『黄金探索者』(新潮社、1993年/河出書房新社「世界文学全集」II-9、2009年)、『もうひとつの場所』(新潮社、1996年)、『ル・クレジオ 映画を語る』(河出書房新社)、『隔離の島』(筑摩書房、2013年)、『嵐』(作品社、2015年)、『心は燃える』(共訳、作品社、2017年)
- ロラン・バルト『著作集』第9巻、みすず書房、2007年
- アントワーヌ・コンパニョン『近代芸術の五つのパラドックス』(水声社、1999年)、『文学をめぐる理論と常識』(共訳、岩波書店、2007年)、『書簡の時代――ロラン・バルト晩年の肖像』(みすず書房、2016年)
【講師】アントワーヌ・コンパニョン(コレージュ・ド・フランス)、中地義和(東京大学名誉教授)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所、(公財)日仏会館
【詳細・申込み】(公財)日仏会館のHPから