複数の言語で哲学すること
[講演会] バルバラ・カッサン(フランス国立科学研究センター)
18:30 〜 20:30 1階ホール
人間は、「ロゴス」、すなわち古代ローマ人が「ラシオとオラシオ」と訳したように理性と語る行為を備えた動物である。一般的に、啓蒙主義以降、概念すなわち哲学的思考の特徴はその普遍性にあると考えられてきた。しかしながら、それぞれの言語とはあるひとつの世界観のようなものであり、翻訳の試みにおいては、差異をいかに扱うかということが問われるのである。
このような緊張関係について、現在10ヶ国語で翻訳-現地語化が進められている共著『ヨーロッパの哲学語彙、翻訳しがたいものの辞書』(スイユ社、2014年)を中心として、哲学的かつ政治的経験をもとにして本公演では探求したい。
プロフィール
バルバラ・カッサンは、ギリシャ哲学の専門家で、言葉の可能性についての分析を行っている。国際哲学コレージュ議長を務める。とりわけ詭弁術とソクラテス前派、翻訳についての研究をし、彼女が監修した『ヨーロッパの哲学語彙、翻訳しがたいものの辞書』は、今日約10ヶ国語で翻訳が進められている。2012年には、業績全体の功績が認められ、アカデミー・フランセーズ哲学賞グランプリを獲得した。
【ディスカッサント】増田一夫(東京大学)
【主催】(公財)日仏会館、日仏会館フランス事務所
【助成】在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
バルバラ・カッサン氏は11月24日(火) アンスティチュ・フランセ関西-京都にて講演会を行います。詳しくはこちらの画像をご覧ください。