5月
19
2017

アングロサクソン・モデルとは対照的に、18世紀のフィロゾーフたちが構想したフランス啓蒙は、根本的に諸宗教と対立する。それは、社会の再生や新しい人間像の構築、集団的帰属の廃止、さらには方言の拒否を含む脱宗教化した公共空間を構想した。こうした論理にのっとって、ユダヤ人の解放は、彼らを完全に再生させ、ユダヤ人に固有な価値とあらゆる特殊な組織形態を放棄させることを前提とした。アベ・グレゴワールは、1787年のメッス・アカデミーのコンクール受賞論文ではじめて、こうしたユダヤ人再生の道を描き出し、すぐ後に始まるフランス革命の敵対関係のなかでそれを擁護することになる。

【司会】富永茂樹(京都大学名誉教授)
【主催】 日仏会館フランス事務所
【助成】 科研費基盤 (C) 「18・19世紀における「習俗」の概念と公共空間の変容:劇場・都市・共和国」15K03814

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。