ヨーロッパ建設におけるフランスとドイツ
[講演会]
17:00 601会議室 フランス語
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仏独共同歴史教科書:ヨーロッパの記憶の場?
エチエンヌ・フランソワ(ベルリン自由大学, パリ第1大学名誉教授)
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レジュメ:
本講演では、1・2巻がすでに出版されている新しい仏独共同歴史教科書の概要を紹介する。教科書作成までの軌跡をたどり、“仏独関係史の教科書”ではなく“仏独共同歴史教科書”であるという独自性を明らかにした後、実現までの困難とその成果としての進歩、そしてこのプロジェクトが背景とするヨーロッパおよび世界的な広がりについて重点的に論じる。
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プロフィール:
1943年、ルーアン(フランス)生まれ。高等師範学校卒業、歴史高等教育教授資格(アグレガシオン)取得、文学博士。ドイツ・フランス史研究代表団(ゲッティンゲン)およびマルク・ブロック・センター(ベルリン)のディレクターを務めた。
現在はパリ第1大学名誉教授、ベルリン自由大学教授であり、ベルリン・ブランデンブルグ科学アカデミー会員。
主な研究テーマは、16〜20世紀のドイツにおける文化社会史、仏独関係史とヨーロッパ史、記憶の歴史(ドイツおよびヨーロッパ)。
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講演テクスト:
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相違と錯綜:ヨーロッパ建設の原動力としての仏独関係?
ライナー・フーデマン(ザールラント大学)
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レジュメ:
仏独両国を原動力としたヨーロッパ建設は、多くの観点から暗礁に乗り上げているように見える。EUの東方拡大が、解決すべき問題の変質を余儀なくしたのだろうか?
本講演では、第二次世界大戦後に誕生したヨーロッパ建設という葛藤に満ちた建設的な共同作業の推進力となった要因について、中期的な観点から考察する。
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プロフィール:
1948年、ハイデルベルグ(ドイツ)生まれ。
ハイデルベルグ大学、キール大学、トーリア大学およびパリ政治学院にて、歴史、政治学およびロマンス諸語・文学を学んだ後、博士号と教授資格を取得し、1985年にザールランド大学で現代史の教授に就任。海外の大学にも度々招聘され、特にパリ政治学院ではアルフレート・グロセール講座にて教鞭をとった。専門は19・20世紀のフランス史およびドイツ史、仏独関係、フランスおよびドイツにおけるエリート、社会政策史、政党史、ヨーロッパ統合史、ヨーロッパにおけるファシズム、比較的観点から見た都市の歴史、ヨーロッパにおける移転過程の構造。
学術機関の委員の役職にも数多くつき、特に2001年以来、仏独共同大学の学術委員を務めるほか、2008年からフランス高等教育機構(RFIEA)の委員でもある。1992年から1994年にかけては、19〜20世紀におけるフランスおよびドイツ史研究仏独共同委員会の委員長を務めた。
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- 協力:静岡県立大学