没後100年渡辺省亭とその時代―日仏近代美術の黎明―
[シンポジウム] 荒屋鋪透(ポーラ美術館前館長)、古田亮(東京芸術大学大学博物館)、岩切信一郎(美術史家)、野地耕一郎(泉屋博古館分館長)、三浦篤(東京大学)、岡部昌幸 (帝京大学)、佐藤道信 (東京芸術大学)、塩谷純 (東京文化財研究所)、山下裕二 (明治学院大学) 、植田彩芳子 (京都府文化博物館)
17:00〜20:30 1階ホール 日本語 通訳なし
渡辺省亭『花鳥図屏風』(1916)個人蔵
定員に達したため、お申し込みを締め切らせていただきました。
3月9日~11日の三日間、日仏会館ギャラリーにて渡辺省亭展を開催します。(入場無料)
ギャラリー開室時間:11時〜18時
開催趣旨:
渡辺省亭(嘉永4年―大正7年、1852-1918 年)は、日本画家、装飾美術家、版画家、雑誌出版者として幕末から大正初めまで、日本近代社会の揺籃期に美術にとどまらず、産業、文化全体のなかで革新的活動をなし、影響を与えた人物でした。また、明治11年(1878年)、
パリ万国博覧会に出品した工芸図案で銅牌を獲得し、日本最初の輸出国策会社・起立工商会社の社員として、林忠正などとともに、パリに派遣され、フランスに渡った最初の日本画家でした。パリでは、ドガやマネ、デ・ニッティスなど印象派の画家たちの前で、日本画制作の実演をし、交流をしました。花鳥画を描く、その技法と、芸術精神、美意識は、フランス美術界にも影響を与え、ジャポニスムの契機の一つとなり、日仏美術交流の黎明期に重要な足跡を残しました。帰国後は、滞仏中に学んだ西洋の写実を取り入れた新様式により作品を描き、迎賓館の装飾に当たり、啓蒙のための美術雑誌を発行、挿絵に裸婦を描き、美の概念を広く社会に問いかけました。伝統を受け継ぎながら、清新な美意識は、鏑木清方、竹内栖鳳らに近代日本美術史に流れていきます。長らく、忘却されていましたが、近年、研究と再評価が急速に進みました。2017年4月2日に100回忌を迎えることを記念して、初めて、その芸術と功績を振り返るシンポジウムを開催いたします。
プログラム
17:00-17:05 フランス事務所長挨拶
第1セッション 渡辺省亭の基礎研究
司会 植田彩芳子(京都府文化博物館学芸員)
17:05-17:20 「渡辺省亭の生涯と作品」
17:20-17:55 「渡辺省亭と日仏美術の黎明」
岡部昌幸(帝京大学教授)
17:55-18:05 休憩
18:05-18:40 「省亭の歴史画ー師・容斎を越えて」
塩谷純(東京文化財研究所近・現代視覚芸術研究室長)
18:40-19:00 コーヒーブレイク
第2セッション パネル・ディスカッション 渡辺省亭再評価へ
19:00-20:30 司会 岡部昌幸
パネリスト
佐藤道信(東京芸術大学教授)
山下裕二(明治学院大学教授・山種美術館顧問)
野地耕一郎(泉屋博古分館館長)
塩谷純
コメンテーター
荒屋鋪透(ポーラ美術館前館長)
三浦篤(東京大学教授、日仏会館理事)
岩切信一郎(美術史家)
古田亮(東京芸術大学大学博物館准教授)
【司会】植田彩芳子 (京都府文化博物館)
【主催】渡辺省亭展実行委員会
【共催】日仏会館フランス事務所
【後援】ジャポニスム学会、日仏美術学会、日本フェノロサ学会
【協力】(株)加島美術
3月18日〜4月9日、加島美術にて渡辺省亭展があります。詳細はHPをご覧ください。http://www.kashima-arts.co.jp/