アルベール・カーンと日本
使用言語:
日本語 (通訳なし)
日時: |
2017年12月16日(土) 15:00〜17:00 |
場所: |
601号室 |
講演者: |
松本慎二(元ユネスコ文化局 文化のための新技術開発室長) ディスカッサント:マチュー・カペル(日仏会館・フランス国立日本研究所) |
2016年12月,オー・ドゥ・セーヌ県ブーローニュ・ビヤンクール市にあるアルベール・カーン資料館は国の文化財指定を受けた。これを契機にカーンが100年以上前に日本から移築した二棟の和風家屋は全面的に修復され,新たに隈研吾氏設計の資料館新館が建てられている。アルザスに生まれ,一時は世界有数の大富豪であり,日清日露戦争の際には秘かに日本の戦時国債を引き受けた銀行家、アルベール・カーンについて知る日本人は少ない。フランス人の間にもほとんど知られていない。その生涯と、我が国との関係を紹介したい。
講師略歴 1943年東京生まれ。 1967年東京大学文学部仏語仏文科卒業。国立国会図書館入館。 1973年国立国会図書館在外研究員として在仏。 1975年アソシエート・エクスパートとしてインドネシア、ジャカルタのユネスコ東南アジア・太平洋科学技術地域事務所に勤務、インドネシア国立図書館創設プロジェクトをユネスコとして支援。 1976年ユネスコ本部文化コミュニケーション局図書館・ドキュメンテーション・文書部転任。以後、イラクの科学技術ドキュメンテーション・センターの設立、モロッコ、ラバトの国立図書館情報大学大学院修士課程コースの新設、ラオスの国立公文書館整備、韓国大田の科学技術ドキュメンテーション・センターの設立等に協力した。 ユネスコ本部機構改革後は文化局に所属、企画専門官として「シルクロード総合研究」プロジェクトの一環としての「宇宙考古学」を提唱、人工衛星専門家と考古学者との対話の場をユネスコとして提供,英国ロンドン大学のシルクロード、メルヴの遺跡発掘、早稲田大学のエジプト研究の驚異的発見等、宇宙からみた考古学の発展に貢献している。また高精細画像による美術作品のデジタルアーカイブ化をフィレンツェのウフィツィ美術館、東京国立西洋美術館などと推進、ユネスコの無形文化遺産保護条約成立の際にはNHK、TBSなどと協力して各国の無形文化遺産のデジタルアーカイブを衛星放送などで一般に公開している。 2005年の愛知万博においては国連館のシニア・アドバイザーとして第一回世界無形文化遺産に指定されたジョージアの多声音楽と舞踊団を招聘するなどの活動をおこなった。 2005年ユネスコ退職後、創設されたサイバー大学世界遺産学部教授として国際機関論概論、世界遺産学を講じ、世界遺産学研修では学生を引率してヨーロッパの世界遺産を巡る研修ツアーを4年間にわたって実施した。 なお現在も進行中である文部科学省科研費による「遺産保存と都市化の問題——日仏比較——」はアルベール・カーン研究と深く関わっている。
主な著作、論文 単行本 「世界遺産で巡るフランス歴史の旅」2013(朝日選書) 「暮らし上手のパリ」1999(中央公論新社) 「古代アレクサンドリア図書館」1991(中公新書) 邦文論文 「フランスの世界遺産保全政策と都市マネジメント」共著。2015 (第一法規) 「忘れられた富豪——アルベール・カーン」1989(中央公論9月号)
【主催】日仏図書館情報学会、日仏会館フランス事務所
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