明朝体活字の東進 ― 西洋からアジアへ

小宮山 博史(佐藤タイポグラフィ研究所)

シンポジウム「文字文化の再創造」,2001年4月7日,日仏会館ホールにて

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[更新:2001-04-05]


発表要旨

 遥か遠いヨーロッパで開発された明朝体漢字活字が、短い時間で中国に伝わり、そして日本に導入され、長い時間をかけて改良洗練が加えられ、基本書体として深く根を下ろしているが、私たちはその書体を日々読み、あるいは組んでいながら、その発祥がヨーロッパであることを知っている人はほとんどいない。日本人の文化・精神・技術に深く関わる「明朝体」が、実はヨーロッパの国々の文化あるいは活動のなかから生み出されてきたことを知るとき、ことばを換えれば、一国の文化も国際的関係のなかで成立するものである、ということを強く意識せざるを得ないのである。


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