10月
12
2018

15-M運動、ケベック学生運動、ウォール街占拠運動…これらの「怒り」は何を表しているのか。この10年間、とりわけ学生や高学歴者などの若い世代が先導した社会運動が多く目立った。本講演会では、近日出版される著書『 Colères. Ce que la jeunesse nous dit de ce monde 』の中で扱われているモントリオールやサンティアゴ(チリ)、パリ、マドリッド、香港で行われた調査に注目する。この調査では、世界各地で若い世代の社会的・政治的感情が増大する怒りとして現れていることに着目した。この10年間の様々な社会的抗議運動に見られるような明白な怒りだけでなく、ライフコースにおいて現れる、より見えにくく、静かな怒りについても考察したい。

プロフィール

セシル・ヴァン・デ・ヴェルデ
社会学者、モントリオール大学教授。社会的不平等とライフコースについての研究でカナダ・リサーチチェアを獲得。専門は若者と世代間の関係についての世界的比較研究。著書に、Devenir adulte. Sociologie comparée de la jeunesse en Europe (Presses Universitaires de France, 2008)、 Sociologie des âges de la vie (Armand Colin, 2015) がある。

玄田有史
日本の経済学者、東京大学教授。専門は労働経済学。
主な著書に、『仕事のなかの曖昧な不安――揺れる若年の現在』(中央公論新社, 2001年/中公文庫, 2005年)、『ジョブ・クリエイション』(日本経済新聞社, 2004年)、『危機と雇用―災害の労働経済学』(岩波書店, 2015年)、『雇用は契約―雰囲気に負けない働き方』(筑摩選書, 2018年)がある。

【司会】ソフィー・ビュニク(日仏会館・フランス国立日本研究所)

【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。