死を前にして人はみな平等― 第一次世界大戦に対峙する作家たち
[講演会] アントワーヌ・コンパニョン (コレージュ・ド・フランス)
18:30 - 20:00 1階ホール フランス語
【要旨】
1914-18年の大戦は、産業が絡んで大衆が総動員される最初の近代戦争と呼ばれた。何百万もの兵士が、敵を殺したことも、銃撃の機会すらないままに殺された。大半は敵の姿を見たこともなかった。砲弾の破片で手足を切断されたり命を奪われたりした彼らは、犠牲者でこそあれ、英雄ではなかった。ジオノ作『大群』(1931年)に見られるような、家畜や動物の群れや屠殺場のイメージが頻繁に用いられた。ドリュー・ラ・ロシェルは、『イリアス』における戦争や中世騎士世界の戦争のような『永遠なる戦』との、ひいては伍長が元帥になったナポレオン戦争との対比によって、近代の戦争の大衆的性格を強調した。いわく――「官吏や技師のための戦争であって、高貴なものなどない。大衆的な総力戦だ。」
【ディスカッサント】 坂本浩也(立教大学)
【司会】 ニコラ・モラール(日仏会館・日本研究センター)
【主催】 東京大学、日仏会館フランス事務所
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