5月
15
2015

【要旨】
1914-18年の大戦は、産業が絡んで大衆が総動員される最初の近代戦争と呼ばれた。何百万もの兵士が、敵を殺したことも、銃撃の機会すらないままに殺された。大半は敵の姿を見たこともなかった。砲弾の破片で手足を切断されたり命を奪われたりした彼らは、犠牲者でこそあれ、英雄ではなかった。ジオノ作『大群』(1931年)に見られるような、家畜や動物の群れや屠殺場のイメージが頻繁に用いられた。ドリュー・ラ・ロシェルは、『イリアス』における戦争や中世騎士世界の戦争のような『永遠なる戦』との、ひいては伍長が元帥になったナポレオン戦争との対比によって、近代の戦争の大衆的性格を強調した。いわく――「官吏や技師のための戦争であって、高貴なものなどない。大衆的な総力戦だ。」

【ディスカッサント】 坂本浩也(立教大学)
【司会】 ニコラ・モラール(日仏会館・日本研究センター)
【主催】 東京大学、日仏会館フランス事務所

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2015.5.8 Compagnon -affiche-.pdf

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。