日時: | 2015年04月02日(木) 18:30 - 20:30 |
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場所: | 1階ホール |
家族に関する報道は、フランスであれ日本であれ後を絶たない。多様化している家族を前に、20世紀に普遍化した近代家族モデルでは対応しきれなくなっていることの現れであろう。実際、社会学や人口学における研究では、家族が多様化していることがもはやその前提となっており 、現代の家族の変遷は、政治的にも重要な課題となっている。政府側からすれば、迅速な対応を迫られる現実的な課題であるとともに、思想的にも重要な案件である。同時に市民の側からすれば、どのような価値を社会の基盤に置くかという根本的な問題である 。 日本とフランスの家族は、同じ伝統的価値観を共有しているわけではないが、民法を通して共通の基盤を有していることは確かである。法を適応するにあたり抱えている問題は、両国間必ずしも同じでないにしても、正義と平等を求める点で、根本的な姿勢は共通していると言えよう。 日仏会館は、現代家族、とりわけカップルの問題に焦点を当て、討論の場を設けることで考察を深めていきたいと考えている。第一回目は、現代の生活形態の多様化がもたらす法の課題(4月2日)について、第二回目は、カップルに今後期待するもの(5月26日)、第三回目は、愛とセクシュアリティーについて。日仏両国の代表的な研究者がその意見を交わす。 一連の討論会は、Institut français du Japon主催のもと、不平等について考えていくことを目的に、経済学者Thomas Pikettyを迎え一月に開催された討論会に続くものである。 多様化する家族と法的課題 初回討論会は、日仏における家族法の代表的な専門家を招いて行われる。両者とも活発に評論活動を行っており、現代家族の多様化、さらにそれによる法的課題についての発言が期待されている。主なテーマは、法の不在、現行法の問題点、さらに新しい法改正の可能性。両国の法的概観を比較検討した上で、特に離婚、同性愛カップル内での子の養育問題(homoparentalité)、さらに生殖補助医療へと焦点をあてていきたい。これら三つの課題は、究極的には親子関係の特質を明らかにしようとするものである。 【登壇者】 イレーヌ・テリー(フランス国立社会科学高等研究院)、 水野紀子(東北大学) 【プロフィール】 イレーヌ・テリー 社会学者、フランス国立高等社会科学研究院研究指導教授。専門は法社会学、家族社会学等。現代における男女関係、世代間関係の変貌に関する研究で知られるイレーヌ・テリー氏は、この研究に基づいて、親子関係や男女関係の問題をめぐる公開議論の場で、これまで積極的な発言をしてきた闘う知識人でもあります。 水野紀子 1955年生。東京大学法学部卒。東京大学法学部助手、名古屋大学法学部助教授・教授を経て、1998年より東北大学法学部・法学研究科教授。専攻は民法、とくに家族法。 業績一覧は、ホームページhttp://www.law.tohoku.ac.jp/~parenoir/参照。 法制審議会の各種部会において民法改正作業にも従事。 【司会】ジャン=ミッシェル・ビュテル(日仏会館・日本研究センター) 【主催】 日仏会館フランス事務所、日本を構成する人々研究会(フランス国立東洋言語文化大学・日本研究センター) 【助成】 アンスティチュ・フランセ
【後援】 日仏女性研究学会 |
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