マリアンヌ・シモン=及川(慶應義塾大学訪問講師)
シンポジウム「文字文化の再創造」,2001年4月8日,日仏会館ホールにて |
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[更新:2001-03-30]
1918年に出版されたアポリネールの『カリグラム』は、古代の様々な技法が20世紀初頭においても最も戦闘的な近代性に有効であることを示した。しかし<イデオグラム>という言葉は、当初はカリグラムを意味する言葉として使われてきたが、アポリネール自身は、古代の図像詩との相違、カリグラムを構成していたアルファベット世界との相違を明示した。しかしイデオグラムという言葉は、1914年から17年までの4年間に亘ってアポリネールが使用しただけで、まもなく<カリグラム>という表現に取って代わられた。しかし<イデオグラム>は死んだのではなく、その後継者によってアポリネールを批判する立場をも含めて、多くの視覚詩人によってその後も使われ続けた。この発表では、アポリネールの影響を受けた3人の詩人、ピエール・アルベール・ビロー、ジャン・タルデュー、ジャン・フランソワ・ボリについて、イデオグラムの意味を考えたい。