日時: | 2023年09月28日(木) 18:00〜20:00 |
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場所: | 601号室 |
講演者: | アドリエンヌ・サラ(早稲田大学) |
日本の法の動員ー政治社会学の観点から制度を、立法を、あるいは行政を変革するプロセスを始動する目的で、法を活用し、司法の領域に働きかけることは、決して容易なことではない。たとえば、多くの研究が、集団的な大義を構築する上で障害となる、法廷で弁護される個々の事件の特異性を克服するために法の動員に携わる人々が直面する困難を強調している(Agrikoliansky 2002; Gaïti and Israël 2003; Okubo 2022)。さらに、こうした困難は本質的に個人的で、過失と損害によって規定される責任の法体系によっても強化される。責任をめぐる法体系は、社会的・環境的不公正を生み出す構造を支える規範や制度に体系的な疑問を投げかけることはせず、また賠償を中心としたアプローチに限定されている(Engel 1995; Latour 2015)。したがって、裁判に頼ることの本質的な制約、そして、例えば司法判断や法的議論の創造性を通じて、規範的枠組みの硬直性を和らげたり、中央集権的で官僚的な意思決定プロセスを参加型にしたりすることで、訴訟がもたらしうる効果、という二つの点の双方を考慮に入れることが重要である(Epp 1998; Vanhala 2012; Israël 2020)。 アドリエンヌ・サラ 日仏会館・フランス国立日本研究所(UMIFRE19 フランス外務省・国立科学研究センター)研究員(2019-2023)、東京大学社会科学研究所客員研究員(2019-2022)を経て、日本社会における法と正義の位置と役割の変遷について研究。 2023年9月より早稲田大学講師、日仏会館・フランス国立日本研究所准研究員。 詳細はこちら 【講師】アドリエンヌ・サラ(東京大学) |
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