Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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パリにおける日本の養殖真珠をめぐる排他運動(1918年〜1940年)

[ 講演会 ]

使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2019年11月05日(火) 18:30〜20:30
場所: 601 会議室
講演者: ウィリアム・クラレンス=スミス (ロンドン大学アジアアフリカ研究学院)

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真珠の養殖は1890年代初めから多くの職人や業者が実験を試みてはいたが、日本が多様なサイズの真円真珠の輸出に本格的に乗り出したのは第一次世界大戦後のことだった。日本の養殖真珠は世界的市場においては比較的安価で、天然真珠の市場を牛耳る卸売商人や、採取漁師たちに脅威を与えるものであり、その結果さまざまな対抗措置や訴訟による対策が取られた。その頃の欧米の真珠産業の中心であったパリでは、第二次大戦直前まで長く厳しい対立劇が続いた。リュシアン・ポールはその渦中にいた人物である。彼は明治維新後まもなく横浜に移住したアルザスのユダヤ人商人の家系で、日本の養殖真珠輸出の第一人者である御木本幸吉のパリでの代理人だった。ポールはフランス宝飾品店協会を相手に闘った。彼らは当時、養殖真珠は「偽物」であり「イミテーション」であるとして、それを法的に認めさせようと、養殖と天然とを区別するためのさまざまな方法(その一つが、シモン&ルネ・ブロック発明の内視鏡)を提案していた。結局1939年にようやく妥協案がまとまり、「養殖真珠」ということを明記した上であれば自由に販売することが可能になった。

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ウィリアム・クラレンス=スミスはロンドン大学アジアアフリカ研究学院(SOAS)名誉教授で、英国王立アジア協会、王立歴史学協会のメンバー。近年の研究テーマは世界の真珠をめぐる歴史で、近くオハイオ大学出版より共著書『Pearls, people, and power: pearling and Indian Ocean worlds』の刊行が予定されている。真珠の他にも、海綿動物、鯨および魚類、飲料、咀嚼剤、麻薬、手工芸品、ディアスポラ、奴隷貿易、セクシュアリティ、イスラム教など、研究対象は広域にわたる。2010年よりSOASにてエド・エメリーと共に、ヒト以外の動物に関する連続講演を行っており、これまでにロバ、ラバ、軍馬、ラクダ、象、海綿動物などを扱ってきた。今後は牡蠣、魚類、水牛といったテーマが予定されている。この研究チームは、2018年、動物に関する学際的な研究を先導するプロジェクトをSOASに立ち上げた。

【講演者】ウィリアム・クラレンス=スミス(ロンドン大学アジアアフリカ研究学院 アジアアフリカ史教授、Journal of Global History誌編集員)

【司会】ジャン=パスカル・バッシーノ(日仏会館・フランス国立日本研究所)

講演はフランス語で行われ、日本語の逐次通訳がつきます。

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