Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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ニューカレドニア、その固有の歴史

[ 講演会 ]

使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2016年06月07日(火) 18:00〜20:00
場所: 1階ホール
講演者: アルバン・ベンサ (フランス国立社会科学高等研究院)、セバスチャン・ルベーグ (写真家)
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ニューカレドニアにおけるカナック族の戦い(1917 年) -歴史的、政治的かつ対話的人類学にむかって
【講師】アルバン・ベンサ (フランス国立社会科学高等研究院)

ヨーロッパとアジアの要衝を襲った第一次世界大戦は、思いもよらぬ好機ともなった。世界各地で、西欧列強の植民地計画の犠牲となった人々がこの新たな状況を利用しようとしたのだ。フランスも1917年始めには、現地住民による抵抗運動に直面することとなる。ニューカレドニアでは、すでに数年前からくすぶっていた植民地軍に対する戦いがグランドテール島の西岸地域で勃発した。この戦いは6千人程度の人口の地域で300人もの死者を出し、現在に至るまでその影響は深く残っている。本講演会ではこの戦いについて、カナック族の文化におけるその記憶に触れつつ論じたい。
1917年の戦いとニューカレドニアについてはカナック族固有の歴史が存在するのだ。カナック族の文人が譜面を手がけた一種の合唱曲や物語、詩、歌などの中には「ニューカレドニアの脱植民地化の歌」とでも言うべき同じ調べを見出すことができる。この歴史は、記憶と記録文書を拠り所とするという点において学識的であり、詩的言語によって知に貢献し得るという点において文学的であり、白人によって作られた歴史に抵抗するという点において明確に政治的である。事実とその真実性において、白人の歴史に抵抗しているのだ。軍の文書や法的文書に記載されていなくとも、1917年の戦いの際に起きた数多くの事件がカナック族の記憶には残っている。
その記憶の作業の核を成すのは政治的理想であるが、カナック族の事例は学問もまた様々な権力と相関関係にあることを示している。それゆえ、過去に対する見解を正すためには、植民地化という目的に余りにも長い間従属させられてきた知識が必要であった。本講演ではこの問題を扱い、非常に批判的で現代的な人類学の方法的根拠や理論的帰結を見出したい。

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プロフィール

1948年、パリ生まれ。フランス国立高等社会学研究院教授。ニューカレドニアの民族学を専門とし、先住民カナック族の歴史における年代記作者である。

 

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カナック族の慣習を撮ること-撮影アプローチについて

【講師】セバスチャン・ルベーグ (写真家)
 
ドキュメンタリー写真の撮影は、目的の正確さや他者の尊重といった職業倫理に従って行われる。ほとんどの場合、写真家は場に適したアプローチをしなければならない。カナック族の慣習を撮ることは、このような一般的美学に従い、とりわけカナック族の文化における社会的な規範を守ること自体に関わる立場をとることである。人々と関わるために慣習に倣うことや、最良の視点とは言えなくても、ある立場を尊重すること、また自らが慣習の行為をすることで、クランや家族に受け入れられ、親密な時間を記録することができる。
日仏会館ギャラリーでの写真展「カナック族の慣習」(6月7日〜20日)にともない、セバスチャン・ルベーグは撮影アプローチについての講演を行う。

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プロフィール
Gamma-Rapho Photography Agency所属
Ana Photography Agency所属
Akamaru Photography ディレクター
『東京画』 - Forest Among Us メンバー
Freelance France Japon メンバー

2008年より東京を拠点に、写真家・イラストレーターとして活動する。 テーマを日本及びアジア南太平洋とし、その文化圏で生きる人々の社会の特徴に着目したドキュメンタリーを制作する。本作品は2013年と2014年に亘って実施されたニューカレドニアのカナックの取材による。

 【司会】シルヴィ・ボォ(日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所
【協力】フランス国立社会科学高等研究院、ADCK チバウ文化センター




写真展「カナックの慣習」於 日仏会館ギャラリー 
6 月 7 日~ 20 日、10時〜18時、月曜閉室)

6月7日(火)講演会後、20時より展覧会オープニングパーティーを開催します。


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