Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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国家のヨーロッパ、精神のヨーロッパ

[ 公開講演会 ]

使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2010年06月07日(月) 18:00
場所: 1階ホール
講演者: マルク・フュマロリ (アカデミー・フランセーズ)
  • 共催:日仏美術学会

  • 講師プロフィール:
    アカデミー・フランセーズ会員、コレージュ・ド・フランス名誉教授(「ヨーロッパに おける修辞と社会(16−17世紀)」講座)。パリ第4大学(ソルボンヌ)で古典文学の高等教育教授資格(アグレガシオン)および文学博士号を取得後、大学で教鞭をとるとともに「17世紀」誌の編集長を1976年から1986年まで務める。レイモン・アロンがその死まで率い、ジャン=クロード・カサノバに引き継がれた「コマンテール」誌の編集委員も1978年から1995年まで務めている。1977年には修辞学史国際学会の創設に携わり、1984年から1985年にかけて同学会の会長となる。1984年から1994年までは17・18世紀フランス文学・フランス語研究センター(パリ第4大学/フランス国立科学研究センター)のセンター長の任にあった。フランス国立高等師範学校(ウルム)内にある文学の共和国史のためのヨーロッパ学院を創設し、現在学院長を務める。
    今までに数多くの海外の大学に招聘され、特にオックスフォード大学、ハーバード大学、ニューヨーク大学、プリンストン大学、ローマ大学、ナポリ大学、マドリッド大学などで教鞭をとる。1991年にはオックスフォード大学でザハロフ講座を担当、2000年にはワシントンのナショナル・ギャラリーの視覚芸術高等研究センターにおいて6回のメロン講座を担当している。数多くの大学から名誉博士号を受けており、中でもイタリアでは1994年にナポリ大学、1999年にボローニャ大学、2004年にジェノバ大学の名誉博士号を授与している。イタリアはフュマロリ氏にとって若い頃から第二の故郷ともいえる国である。国内外の数多くの学会の会員であり、英国学士院の通信会員、米国学士院会員、フィラデルフィア米国哲学会会員のほか1997年からはアカデミア・デイ・リンチェイ会員。フランス文学史学会会長。1982年にアカデミー・フランセーズの Monseigneur Marcel 賞、1992年に Critique 賞を受賞、2001年9月に Balzan 賞、2004年には Mémorial賞および Combourg賞を受賞。
    1995年にウジェーヌ・イヨネスコに代わりアカデミー・フランセーズ会員に選出され る。1998年にはジョルジュ・デュビィに代わりフランス碑文・文芸アカデミー会員に 選出されている。

  • 講演要旨:
    本講演では欧州連合を望むにいたらしめたヨーロッパとその国々のビジョンを示すとともに、それが、自ら内包する多様性と共存しており、切り離すことができないということを明らかにする。
    古代ローマや詩人及び芸術家が生きたローマの記憶によって結びつきながらも、新しいローマ帝国の建設を夢見る複数の国家の激しい反発により引き裂かれたラテン系ヨーロッパが長い時をかけて現在の欧州連合を系譜的に準備してきたことは歴史が示すとおりである。この系譜図は十分に理解も認知もされておらず、我々の欧州連合に対する認識において決定的に欠けている。欧州連合は自らの血統に対して無自覚であるように見える。しかし、この血統こそが、国際連盟や国際連合のまとまりがなく消極的な官僚主義とは全く異なる権威と自律性を欧州連合に付与しているのである。ひとつの地域の歴史の驚くべき結末であり出発点でもある欧州連合は、旧大陸に恒常的に本拠を置く公会議および議会であり、ヨーロッパ内の平和を賢明に守る連邦国家権力であると同時に、地中海やアジア、中東、アフリカなどの古来の文明の知恵との対話を怠ることなく、寛大で威厳ある影響力を保たなくてはならない。

* 日仏会館フランス事務所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページのイベントカレンダーからの申込みが必須となります。警備強化のため、当日の受付に際しては身分証明書の提示をお願いしております。

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