Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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山の水から風景へ

[ 一般公開講演会 ]

使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2009年09月24日(木) 18:00
場所: 601会議室
講演者: オギュスタン・ベルク (フランス国立社会科学高等研究院、第20回福岡アジア文化賞大賞受賞者)

  • 講師プロフィール:
    フランス国立社会科学高等研究院教授。中国語を修めた地理学者であり、何十年にもわたって人間社会と環境の関係について思索を続けている。その研究と思想は2000年に出版された« Ecoumène - introduction à l’étude des milieux humains » (Paris, Belin, réédité en 2009 en Belin Poche、「風土学序説−文化をふたたび自然に、自然をふたたび文化に」、筑摩書房、2002年)にまとめられている。主要な研究フィールドは1969年から17年以上を過ごした日本である。日本についての著作は多く、特に1986年には Le Sauvage et l'artifice. Les Japonais devant la nature (Paris, Gallimard/「風土の日本−自然と文化の通態」、ちくま学芸文庫、1992年)を出版。本人も言明しているように和辻哲郎の思想から大きな影響を受けているが、古代ギリシャ思想から中国の古典詩、現代作家に及ぶ幅広い読書によってその思想はさらに研ぎ澄まされている。個人の研究にとどまらず、国際的な研究プログラムも多数主催し、最近では保持不可能な住環境をテーマにした研究プログラムが2009年9月にセリジー・ラ・サルで開かれるシンポジウム « Donner lieu au monde : la poétique de l’habiter »で完結する予定である。
    今までの業績により第20回福岡アジア文化賞大賞を受賞。授賞式は2009年9月17日に執り行われる。20年前に創設され、アジア文化の保護と普及に多大な貢献をした個人あるいは団体に贈られるこの栄誉ある賞を、アジア人以外が受賞するのは初めてのことである。

  • 講演要旨:
    4世紀の中国南部において、世界で初めて「風景」の意味を持つようになったのは「shanshui 山水」という言葉であったが、それは文字通り「山と水」である。この言葉は、その後何世紀にもわたって美的な含意もなく「山の水」という意味として、奔流や急流の猛威を防ぐため治水に腐心した水力技師たちによって主に使われていた。山の水は人間に敵対する大自然が象徴的に宿るところでもあった。今日の我々にとって風景は安らぎや時として心の高揚を誘うものであるが、そうなるまでにはいかなる変遷があったのだろうか。

  • 講演テクスト:

関連データ:

» 2009-09-24_ConférenceABerque.pdf (講演会開催案内[PDF])

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