9月
14
2018



*定員に達したため、お申し込みを締め切らせていただきました。

本講演で扱うのは、理論的には気が遠くなるような、そして政治的には具体的な問いである:五月革命は物語や解説そして歴史や記憶から、どのように、どの時点で、そしてどのような名目において逃れることができるのだろうか。五月革命とはある人々にとっては解放を求める歴史的な運動の最後の抵抗であり、別の人々にとっては個人主義的でメディア化され自己愛に満ちた新しい時代の到来を遂行的に告げるものであった。そのため、五月革命そのものの現在性について語られることは少なかった。五月革命の勃発は知的な大前提を無効にし、結果に還元しきれぬ例外的な空間と時間を作り出した。そして近代の名残のみならず、世界中の革命的闘争にとって新しい課題となった諸問題を表面化させる契機となったのである。それは性、文化、存在、理性、感情そして戦略をめぐる諸問題である。

プロフィール
フランソワ・キュセ
作家、ナンテール大学教授。思想史、現代思想、アメリカ文明論を専門とする。著書に、現代フランス社会における思想の変化や、アメリカにおけるフランス現代思想の展開を主題としたFrench Theory, Foucault, Derrida, Deleuze & Cie et les mutations de la vie intellectuelle aux États-Unis (2003)(邦訳:『フレンチ・セオリー アメリカにおけるフランス現代思想』、2010年)や、Une histoire (critique) des années 90 (2014)、Contre-Discours de Mai: ce qu’embaumeurs et fossoyeurs de 68 ne disent pas à ses héritiers (2008)がある。

小熊英二
慶応義塾大学教授。日本の歴史社会学を専門とする。著書に、『単一民族神話の起源』(1995年)、『<日本人>の境界』(1998年)、『<民主>と<愛国>』(2002年)、『1968』上下巻(2009年)などがある。

【司会】坂井セシル(日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【協力】日仏哲学会
【助成】(公財)日仏会館
【後援】在日フランス大使館/アンスティテュ・フランセ日本
日本語とフランス語、同時通訳

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。