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【プログラム】 13:30~13:40 趣旨説明 13:40~15:40 講演 シリル・ルミュー(社会科学高等研究院)「フェイクニュース狩り:道徳的パニック?」 (休憩15 :40~15 :50) 15:50~16 :50 報告 藤吉圭二(追手門学院大学)「〈誰もが情報発信できる時代〉に発信されないもの」 金瑛(関西大学)「〈ポスト真実〉の時代における〈記憶〉と〈記録〉の関係」 16:50~17:10 コメント シリル・ルミュー 17:10~18 :00 全体討論
【プロフィール】 フランスの社会学者。1967年生まれ。社会科学高等研究院EHESS教授。EHESSおよびパリ政治学院で教鞭をとっている。最新刊のLa sociologie pragmatique(La Découverte, 2018)をはじめ、著書、論文が多数ある。関心領域は、ジャーナリズム、メディア化のプロセス、国家と庶民階級、社会科学とイデオロギーの関係、行為の文法的分析など。 研究のかたわら、メディアにおいて社会学の普及にもつとめており、ル・モンド、フランス・キュルチュール、リベラシオン、Alternatives économiques で定期的に発信をおこなっている。
【要旨】
「フェイクニュース狩り:道徳的パニック?」シリル・ルミュー(社会科学高等研究院)
16世紀初めの印刷術の開花から今日のデジタル革命に至るまで、知識の生産と伝播に対する教養エリートの独占の喪失の進展は、その一方で継続的に不安と批判とを引き起こしてきました。最近では、「ポスト真実」、「陰謀論」、あるいは「フェイクニュース」といったカテゴリーの出現が、こうしたタイプの応酬の存在を物語っています。私たちの社会において情報が生産され公表される仕方が、これからの時代、不可避的にこのような問題を引き起こすならば、現在こうした問題を規制するために提案されているあらゆる解決策に、民主主義の理想を守る上での同じ効果を期待することは到底できません。私たちはこの事実に注目せざるを得ないのです。
「〈誰もが情報発信できる時代〉に発信されないもの」藤吉圭二(追手門学院大学)
インターネットの普及によって、「誰もが情報発信できる時代」になったと言われ、それはしばしば肯定的な評価を与えられる。これと並行するようにして、国家権力による「正史」の欺瞞性が指摘され、それと対抗しうるものとしてオーラルヒストリーが注目され、また事実(fact)よりも語り(narrative)の重要性が強調されるようになっている。この流れをあらためて見直すとき私たちは、「強権によって統一された歴史」を疑問視するあまり、「人々によって尊重されるべき共通認識」の必要性まで否定してしまったのではないかという疑問が生じる。本報告はこの疑問について国家権力についての基本的な理解から出発して地道な検討をしてみたい。
「〈ポスト真実〉の時代における〈記憶〉と〈記録〉の関係」金瑛(関西大学非常勤講師)
記録技術の急速な発展を経た現在、あらゆる過去についての「客観的な記録」が氾濫するようになっている。一方で、「ポスト真実」、「陰謀論」、「フェイクニュース」といったカテゴリーの出現は、「客観的な記録」に対する人々の「主観的な記憶」の優位を示しているように思われる。こうした時代状況において、情報の生産や蓄積、伝播といった問題に関して、今考えるべきこととは何なのだろうか。本報告では、構築主義と実在論の論争といった記憶論で蓄積のあるテーマに関連づけながら、この問題について考えることにしたい。
【主催】科学研究費補助金・基盤研究(B)「社会学のディシプリン再生はいかにして可能か――デュルケーム社会学を事例として」(15H03409)、日本学術振興会「学術研究動向等に関する調査研究」、日仏社会学会、デュルケーム/デュルケーム学派研究会
【共催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【使用言語】フランス語と日本語、逐次通訳あり
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