Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

言語:JA / FR


日仏会館フランス事務所 / イベント・カレンダー

連続講演会「恋愛の人類学」

子供への愛着
ファザーリングの人類学


使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2016年11月24日(木) 18:30〜20:30
場所: 1階ホール
講演者: メラニー・グラリエ(LISST、トゥールーズ大学)
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フェミニズム研究やジェンダー研究は、母親の愛着の不変について問うことを可能にしたが、父親の愛についての研究はあまり行われてこなかった。しかしながら、父親の愛を考えることは、母性についての既成観念の見通しをよくし、つながりについての問題提起を可能にする。何が子供に対する父親の愛着を生むのか。 本発表では、「よい」父親であろうとしたり、あるいは父親としてするべきとされている行動からの距離を置こうとする男性たちの実践と心情の訴えについて考える。 二つの研究対象が提示される。一つは、フランスの「父親の実態のための運動」という父親の権利を守る団体である。とりわけ、15年ほど前からのめざましい活動により注目されるこれらの団体は、しばしば母親の権利に対置するものだとされている父親の権利を主張する。父性は、個人的帰結とされているだけではなく「男性であることの大義」という政治的な問題だと考えられているのだ。これらの団体に加入している男性たちは「新しい父親」を目指して努力し、子供たちの日々の世話に力を注いでいる。 これらの状況は、二つ目の研究対象と対置される。それはニューヨークにある父性の検査に特化した遺伝子採取研究所である。父性が疑いの対象となり再考されるこの状況では、どのように子供に対する愛着の価値を再定義できるだろうか。

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メラニー・グラリエ
人類学博士。トゥールーズ大学研究グループ「ANR Ethopol」のメンバーである。政治人類学、親子関係の人類学についての研究を行う。現在、フランスとアメリカにおける現代の父性を決定する要因としてのDNAの利用について研究している。2012年フランス国立社会科学高等研究院にて博士号を取得。博士論文「Séduire les femmes pour s'apprécier entre hommes. Une ethnographie des sociabilités masculines au sein de la Communauté de la séduction en France(女性を誘惑し男性としての価値を上げること--フランスの「誘惑共同体」における男性の社交性についての民族学的視点) 」は、2017年にスイユ社より出版予定。

主な著作
2017年 (予定)  Les ruses de la séduction, Seuil
2016年 « Parentés contemporaines », avec Séverine Mathieu, Journal des anthropologues
2014年 « Quand le trouble amoureux contrarie le masculin : la gestion des émotions amoureuses au sein de la Communauté de la séduction en France », Sociologie et sociétés, vol.46, n°1, p. 37-57.
2014年 « Le « mauvais genre » de l'Internet. Séducteurs des rues/séducteurs de la toile », Hermès, n°69/2, p. 45-49.
2014年 « Désaffecter » la galanterie masculine. La redistribution des transactions hétérosexuelles au sein de la Communauté de la séduction en France », Pensée Plurielle, n °33-34, p. 213-223.
2013年 « La Communauté de la séduction. Des apprentissages masculins », Ethnologie Française, vol.43, n°3, p.425-432.


石井クンツ昌子
石井クンツ昌子は社会学者、お茶の水女子大学教授。同大学ジェンダー研究所所長。家庭内の性別役割分担、男性の家事・育児参加の国際比較、ワーク・ライフ・バランス、IT社会の親役割などについての研究を行い、また、ドメスティック・バイオレンスについての日本・アジア諸国とアメリカの比較研究を行っている。日本やアメリカで優れた論文を数々発表し、高名な学術研究誌に掲載されている。

本講演会のテーマに関連する著作
2016年 Family Violence in Japan: A Life-Course Perspective (英語)
2015年 "Fatherhood in Asian Contexts", In Handbook of Families in Asia (英語)
2014年 「日本における性別役割分業ー女性力と「育メン」現象の関係」Peace & Culture
2009年 « Asian American Families », in Journal of Family Issues (英語)


【司会】ジャン=ミシェル・ビュテル(日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所 【助成】アンスティチュ・フランセ(パリ)
【協力】在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
フランス語、同時通訳

* 日仏会館フランス事務所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページのイベントカレンダーからの申込みが必須となります。警備強化のため、当日の受付に際しては身分証明書の提示をお願いしております。

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