日時: |
2016年10月18日(火) 18:30〜20:30 |
場所: |
1階ホール |
講演者: |
ピエール・コネサ(作家、パリ政治学院) |
※著作権により通訳音声は配信できませんのでご了承ください。
国際関係論の教科書の通説とは反対に、民主主義国家はその本質からして平和的であるとは限らない。民主主義が平和的だとすれば、フランスやイギリスによる植民地化はなかっただろうし、アメリカのイラク侵攻はなかっただろうし、イスラエルによる被占領地域の植民地支配もなかっただろう。逆に独裁国家がすべて好戦的であるとは限らない。戦争をするには敵をつくる必要がある。だが、いったい誰がどのようにして敵をつくるのか。敵のつくり方にはいくつかの段階がある。新しい戦略イデオロギー、政治指導者の演説、敵を名指して世論を誘導する「マーカー」、そして武力攻撃にいたるメカニズムがある。「敵に印をつけるマーカー」のことをアメリカでは「ストラテジスト」と呼ぶが、紛争のタイプにより介入するストラテジストは多様である。もし敵が人工的構築物だとすれば、敵のタイプ分けが可能であるはずだ。近隣の敵(国境紛争など)、地球規模の敵(冷戦期の敵)、内部の敵(内戦)、隠れた敵(ユダヤ人陰謀説、南米の反共クーデタ)、善の悪に対する戦争、概念上の敵(テロリズム、核拡散)、メディアがつくる敵(メディア的知識人、映像)など。もし敵が構築物だとするならば、敵を脱構築することができるはずである。
【講師】ピエール・コネサ(作家、パリ政治学院) 【ディスカッサント】西谷修(立教大学教授) 【司会】細川哲士(立教大学名誉教授) 【主催】(公財)日仏会館、日仏会館フランス事務所
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* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。