Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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連続講演会《個から普遍へ:文化人類学の射程》

文化人類学における親族の研究:クロード・レヴィ=ストロースを超えて


(同時通訳付き)
日時: 2015年11月18日(水) 18:30 〜 20:30
場所: 1階ホール
講演者: ローラン・バリー(フランス国立社会科学高等研究院、コレージュ・ド・フランス)
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ローラン・バリー氏講演会中止のお知らせ
ローラン・バリー氏の来日は、パリ同時多発テロの影響により残念ながら中止となりました。それに伴い、11月18日(水)に日仏会館で予定されていた講演会は中止となります。
誠に申し訳ございませんが、よろしくご了承下さい。


親族の研究は、人類学の研究が始まった当初から一つの主軸となっていた。親族の研究は人類学者にとって普遍的な研究対象を提供するものであり、世界中に類似した要素が見受けられるので一般的かつ形式的な分析を行うことが可能だったのである。
戦後すぐ、クロード・レヴィ=ストロースの最も優れた著書である『親族の基本構造』の1949年の出版によってこの研究の最盛期がおとずれる。20年間、レヴィ=ストロースの「交換理論」に後押しされた「構造主義」と、イギリスで「親族団体論」といわれて流行した「機能主義」もしくは「構造機能主義」の二つの研究アプローチが、この研究分野をほぼ独占することになる。この二つの研究方法は、今となってみると相反するものというよりはむしろ相補的なものだったが、専門家同士の閉ざされた学術的議論にとどまった。   
ポストモダンの批判は、構造機能主義の議論の結果、もしくは、その事実への適合よりも、結婚、家族といった親族のあり方、もしくはそのあり方の普遍性を批判した。つまり、親族のあり方の普遍的で統一的な比較研究を批判したのである。  ポストモダンの波が去った今、われわれは再び70年代の重大な理論のモデルをあらたに再び検討し、彼らが突き当たった概念的というよりもむしろ経験的な困難を分析することができるだろう。本講演では、熟慮に基づきこの問題を検討したい。

本講演に関し、参考文献となる講演者の著書は以下の通り。
• 1998b « Les modes de composition de l'alliance. Le ''mariage arabe'' », L'Homme, 147 : 17-50. • 2000c « Le mariage endogame en Afrique et à Madagascar » in Laurent S. Barry (sous dir.), Question de parenté, numéro spécial de L'Homme, 154-155 : 67-100.
• 2001b « Les Structures Élémentaires de la Parenté de Claude Lévi-Strauss », Encyclopaedia Universalis, version 7 (support CD-Rom/DVD).
 • 2002b "Enseigner la parenté", (présentation du dossier) Gradhiva, 32 : 71-76.
 • 2004c « Parenté », Paris, Encyclopedia Universalis ("Notions"), pp. 749-750.
 • 2004d "Prohibition de l'inceste", Paris, Encyclopedia Universalis ("Notions"), pp. 820-822.
 • 2008 La parenté, Paris, Gallimard (Folio Essais), 863 p.
 • 2009 « L'oubli des origines. L'amnésie généalogique en histoire et en ethnologie », Annales de démographie historique, écrit avec Michael Gasperoni.
• 2012 « La parenté au singulier » in Faire des Sciences Sociales, Volume Généraliser, Paris, Editions de l'Ehess.


【プロフィール】

ローラン・バリー
人類学者、フランス国立社会科学高等研究院准教授。
カメルーンのフラニ族のもとで調査を行い、親族研究における情報処理の変革に大いに貢献した。本講演会で紹介する著作『親族』(Paris, Gallimard, Folio Essais Inédit, 2008)は、人類学においてとても重要である親族の問題についての新しい考え方を提示するために、百科事典的な方法で婚姻制度の可変性を分析している。

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小田 亮(おだ・まこと)
首都大学東京・教授
社会人類学専攻、東アフリカおよび沖縄を研究
主要著書:
『構造主義のパラドクス:野生の形而上学のために』勁草書房,1989年
『構造人類学のフィールド』世界思想社,1994年
『レヴィ=ストロース入門』筑摩書房(ちくま新書),2000年

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【ディスカッサント】小田亮(首都大学東京)
【司会】シルヴィ・ボォ(日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所
【助成】アンスティチュ・フランセ(パリ)、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

* 日仏会館フランス事務所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページのイベントカレンダーからの申込みが必須となります。警備強化のため、当日の受付に際しては身分証明書の提示をお願いしております。

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