![Masaoka-Shiki.jpg](https://www.mfj.gr.jp/agenda/_data/Masaoka-Shiki-thumb-400x292.jpg) 中村不折 病床の子規
【要旨】 晩年の正岡子規は、病気のために、通常の意味での「文学作品」を書くことが出来なくなってしまった。新聞『日本』に連載した「墨汁一滴」や「病床六尺」などは〈随筆〉とよく言われているが、実際にはジャンルとして規定出来ないエクリチュールなのである。一方、病気の体験は子規にとって、男性と女性のそれぞれの役割、つまり性の差異を考え直すきっかけになった。こうした「ジャンルのない」テクストは 、子規の「ジェンダー」に対する認識の変化を雄弁に語っている。
【プロフィール】 フランス国立東洋言語文化大学(INALCO)教授。日本近代文学、特に森鴎外、夏目漱石、正岡子規を専門とする。著書にLes Tourments du nom (Maison franco-japonaise, 1994), Littérature et génie national (Belles Lettres, 2005),編著に Drôles d’individus. De la singularité individuelle dans le Reste-du-Monde (Klincksieck, 2014)などがある。
【主催】 日仏会館フランス事務所
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