ヴィリー・ブラント、ヴァルシャワでの跪き(1970年)
* 定員に達したため、お申込みを締め切らせていただきました。
【要旨】 1945年そして1989年以後のヨーロッパにおける和解の「モデル」に、日本や中国、韓国が注目していることは、ヨーロッパでも知られている。しかし、そのヨーロッパにおいてさえも、しばしば前面に出されて来た仏独カップルの例を別にすれば、複雑で多面的な和解の歴史について、実際のところどれほど知られているだろうか。1984年ヴェルダンでのミッテラン大統領とヘルムート・コール首相の握手や、同じコール首相とマゾヴィエツキ首相による1989年のクライザウでの「和解のミサ」に際しての抱擁によって、それぞれ象徴されている、フランス・ドイツとドイツ・ポーランドの和解の比較を通してみえてくる、対照性、固有の論理、ノウハウの移転、そして適応などが、本講演で中心的に扱うテーマである。
【プロフィール】 トマ・セリエは、高等師範学校出身で、現在はパリ第8大学ヨーロッパ研究所の准教授。2007年からは、ドイツ・ポーランド国境に1992年に創設された、ヴイアドリナ欧州大学(フランクフルト・アン・デア・オーダー)の客員教授。ベルリンのマルク・ブロックセンターとパリの現代史研究所の客員研究員でもある。研究対象は、仏独関係とドイツ・ポーランド関係、それにヨーロッパの国境地域やヨーロッパの記憶に関わっている。ドイツの作家ギュンター・グラスについての論文もある。最近の著作は、『ヨーロッパの記憶の場』(エティエンヌ・フランソワと共著、La Documentation Française, 2012)、『幻の境界』(ベアトリス・フォン・ヒルシュハウゼンらと共著、Götitingen, Wallstein, 2015)など。
【ディスカッサント】 剣持久木(静岡県立大学)
【司会】 アルノ・ナンタ(フランス国立科学研究センター、日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所、静岡県立大学
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