◎ 2014年度渋沢・クローデル賞受賞者講演会
【プロフィール】 2013年11月にフランス国立東洋言語文化学院日本学部日本語・日本文化学科博士課程を修了。博士論文では、蝦夷地(現・北海道)の支配史や幕藩体制時代の外交・戦略というテーマを扱った。2014年に公益財団法人日仏会館・読売新聞の渋沢・クローデル賞を受賞。同年8月からハーバード大学のライシャワー研究所のポスドク研究員。現在、博士論文の刊行を準備しながら、「大日本帝国の種 ― 幕府直轄の蝦夷地における〈プロトコロニアリズム〉」をテーマに研究を続けている。
【要旨】 1771年夏、スロバキア出身の自称伯爵モーリツ・ベニョフスキーはシベリアの捕虜収容所から逃走し、期せずして日本に上陸した。当時、こうした事件には先例がなく、明治以前の対外関係や戦略を考えるうえで重要な位置を占めている。既存の研究では、主に日本の史料や記録、ベニョフスキーの航海記などを中心に参照してきたが、実際には、フランス語をはじめとする多くの欧文史料にもその記録が残されている。本講演会では、そうした未開拓の史料を閲覧することで、「ハン・ベンゴロ」と名付られたこの事件の重要性を、内外の視点から改めて検討します。
【主催】 (公財)日仏会館、日仏会館フランス事務所 【後援】 (公財)渋沢栄一記念財団、読売新聞、日本仏学史学会
阿波国に来航したベニョヴスキー 『辺要分界図考』 早稲田大学図書館蔵
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