7月
04
2013

【プロフィール】
ミカエル・リュケンは美術史を専門として、現在、フランス国立東洋言語文化研究学院およびフランス大学学院の教授を務める。著書に、L’Art du

Japon au vingtième siècle (Hermann, 2001), Grenades et amertume : les

peintres japonais à l’épreuve de la guerre (Belles Lettres,

2005)がある。2012年には、同名の講演会録であるLes Fleurs artificielles : pour une dynamique

de l’imitationをデジタル本として出版している。

【要旨】
宮崎駿の監督作品『千と千尋の神隠し』(2001)は広範囲な大衆に向けて制作され、多くの反響を得た。しかし同時に、作品は難解でもあり、その日本語のなかにはさまざまな暗号が隠されている。より一般化して言えば、現代の日本文化を代表するこの映画のストーリーは、2つの相反するベクトルによって構成されている。それは欲望の渦巻く世界を縦糸にとりながら、共存や分かち合いを横軸として展開する。この講演会では、このアニメーション作品の鍵となる要素を紐解いていく。映画のメッセージは政治的にどのように伝えられるのか。逆に、政治は映画という表現手段のなかにいかに織り込まれているのか。

【司会】 クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所)

【主催】 日仏会館フランス事務所

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。