グローバル化の時代における言語純粋主義
[講演会] ジャン=ノエル・ロベール(コレージュ・ド・フランス、 碑文・文芸アカデミー)
18:30 - 20:30 601号室 フランス語
【プロフィール】
1949年パリ生まれ。コレージュ・ド・フランス教授(日本文明文献学講座)。フランス国立高等研究実習院(EPHE)で日本仏教研究の講座を持つ。碑文・文芸アカデミー会員。現在は中国文化との文献学的対話としての日本文化の発展に関する研究を行っている。
近著にLa Centurie du Lotus de Jien (Paris, 2008) がある。
【要旨】
諸言語における純粋主義の問題とは言語学の領域にとどまらず、その国の社会、文化、文学に関係している。そして何よりもこの問題は、周辺諸国との関係および自らの伝統の源流をどこに求めるかということを規定している。その意味において、言語純粋主義とは現代において地政学と呼ばれる学問と大いに関係がある。しかしながら、言語純粋主義とは必ずしも確固とした公的な決定によって生まれるものではなく、特に現在では様々な動向が出会うことによって文化圏によって対照的な傾向が認められるようになっている。本講演では純粋主義の歴史の輪郭を明らかにしつつ、英語の優位性に直面する日本と中国の言語行動の違いを浮き彫りにしたい。