6月
16
2012
  •  2011年4月11日まで日本政府は飯舘村の全村避難の必要性を認めなかった。村民たちはこの状況に対してどのように組織したのか、どう子どもたちの健康を守るのか、そして将来の展望は?繋がりを維持したいという思い、帰村への思いが、村民一人一人に渦巻いているが、全村避難地域の願いは、様々な障害にぶつかっている。大半の人たちにとって離散は避けがたく、多くの人たちが孤独に苦しんでいる。1年が経つも、除染は始まらなかった。失業は明日への不安の中で、かなりの数に上っている。こうした課題を全て、女性たちの、1980年代以来行われてきたこの村の地域づくりと再活性化の活動を聴くことで、検討していく。

     一方で、新たな地で、これまでの飯舘村での実践を生かしながら、新たな生活や繋がりを紡ごうとしている人々もいる。そこに、女性たちの姿も少なくない。そこでの困難は?また、何が彼女たちの行動を支えとなっているのか?飯舘村で蒔かれた「種」が、今この新たな地でどのように芽吹き、育っていくのか、その姿も私たちは丁寧に見つめ、支えていくことが、飯舘村の村民たち一人一人の「復興」につながるのではないだろうか。

     これらの具体的な質問に加え、エコロジーとフェミニズムの現在と過去における関連を考察する。また、日本におけるエコフェミニズムの位置づけにも取り組みたい。

  • 【司会】

    • 村田晶子(早稲田大学ジェンダー研究所)
    • クリスチーヌ・レヴィ(日仏会館)
  • 【発表者】

    • 千葉悦子(福島大学)
    • 渡辺とみ子(かーちゃんの力プロジェクト代表)
    • 矢内琴江(早稲田大学大学院)
  • 【共催】早稲田大学ジェンダー研究所
  • 【協力】フランス国立科学研究センター(CNRS)学際研究 NEEDS プログラム
* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。