4月
15
2013

【プロフィール】
オリヴィエ・ヴィヴィオルカ氏は、高等師範学校カシャン校で教授を務め、フランス大学研究院のメンバーでもある。専門は第二次世界大戦の歴史。主な著書にHistoire du Débarquement en Normandie (Le

Seuil, 2007, rééd.Points-Seuil, 2010)、暗黒時代の政治的記憶を扱うLa Mémoire désunie

(Le Seuil, 2010, reed.Points-Histoire, 2013)。近刊としてHistoire de la Résistance (Perrin, janvier 2013)。

【要旨】
フランスにおけるレジスタンスの歴史は、いろいろな点で依然として謎に満ちている。確かに、近年、いくつかの事柄が明るみに出され注目を集めた。フランソワ・ミッテランの青年時代をめぐる暴露やジャン・ムーランへの糾弾がそれであるが、それぞれ、共産党に寄与する、あるいはソ連秘密情報局に由来すると論難された。メディアに流布したこれらのエピソードによって、しかし、影の軍隊の実態は明確になったというよりも、むしろ覆い隠されたのである。それゆえ、原史料に立ち帰り、重要な論点について問わなければならない。レジスタンスはフランスのなかで少数派的現象であったのか多数派的現象であったのか。レジスタンスはド=ゴール将軍の主導で生まれたのか自然発生的に展開したのか。レジスタンスの軍事的効率はどの程度のものであったのか。レジスタンスはナチによる過酷な占領から市民をまもることに寄与したのか。レジスタンスは、フランスの解放とともにはじまった新たな基盤に立つフランス再建に貢献したのか。本講演では、これらの論点をできるかぎり明確にしてみたい。

【ディスカッサント】 剣持久木(静岡県立大学)
【司会】 アルノ・ナンタ(日仏会館・フランス国立日本研究センター)

【主催】 日仏会館フランス事務所
【協力】 日仏歴史学会

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。