Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

言語:JA / FR


日仏会館フランス事務所 / イベント・カレンダー

2024年12月のイベント

1世紀前の日仏会館の誕生:クローデルと渋沢、そして日仏会館の Directeur françaisの名称と権限をめぐる問題(1924~1931)


(同時通訳付き)
日時: 2024年12月03日(火) 18:00〜20:00
場所: 601会議室
講演者: ミシェル・ワッセルマン(立命館大学名誉教授)

1921年、ポール・クローデルは駐日フランス大使に任命される。その任命に先立ち、彼が最大の野心を抱いていたのが日仏会館のプロジェクトであった。192412月に設立されたこの施設のDirecteurのポストを、クローデルは、コレージュ・ド・フランス教授で偉大なインド学者であるシルヴァン・レヴィに託したいと思っていたが、同じ年の3月、既に日仏会館は「法人格を有する財団(財団法人)」に指定され、その理事長は大実業家である渋沢栄一が務めていた。Directeur françaisの名称と権限をめぐる問題は、日仏間の時に緊迫した交渉を経て、ポール・クローデルとシルヴァン・レヴィが退任してからずっと後の1931年にやっと解決する。1927年初めに日本からワシントンへ旅立つ前、東京で直面した困難を知ったクローデルは、関西日仏学館の監督機関として機能させるため、今度は、フランス大使を代表とする単一運営の財団の設立に尽力した。同学館は1927年末、京都に創設された。同じ施設内に異なる国の組織が共存するという状態は、決して容易ではないが、日仏会館を特徴づける要素であり続けた。会館はこの202412月、創立100周年を迎える。

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【講師】ミシェル・ワッセルマン(立命館大学名誉教授)
立命館大学(京都)名誉教授で元関西日仏学館館長(1986-94年)のミシェル・ワッセルマンは、在任中に京都フランス音楽アカデミー(1990年)とヴィラ九条山(1992年)の設立に貢献した。演出家として、2003年より京都オペラ協会の監督を務める。日本の伝統的な演劇を専門とし、クローデルの駐日時代にも関心を寄せている。『黄金と雪 - ポール・クローデルと日本』(ガリマール、2008年)は、2009年にÉmile Faguet賞(Académie Française)とLittéraire de l'Asie賞を受賞。近年では下記の著書がある。
・Paul Claudel dans les villes en flammes (Champion, 2015年)
Paul Claudel et l'Indochine (Champion, 2017年)
Les Arches d'or de Paul Claudel - L'action culturelle de l'Ambassadeur de France au Japon et sa postérité (Champion, 2020年)『ポール・クローデルの黄金の聖櫃 -〈詩人大使〉の文化創造とその遺産』(水声社、2022年)

日仏交流への貢献が評価され、2018年京都市芸術振興賞を受賞。この賞における50年の歴史の中で、外国人として初めてこの栄誉を受けた。

【ディスカッサント】三浦信孝(中央大学名誉教授)
東京大学教養学科フランス科卒、中央大学名誉教授の三浦信孝は、2002年から財団法人日仏会館常務理事、副理事長を経て、2020年から顧問。編者ないし共編者として出版した日仏会館での日仏シンポジウム記録論文集は ルソーやヴァレリーから加藤周一まで15点を数える。2024年には『日仏文化』の百周年記念号を編纂した。

※講演会の後、最終日となる日仏会館ギャラリーで開催中の展覧会「日仏会館、100年の歴史」を登壇者とともに鑑賞します。

【司会】トマ・ガルサン(日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

架空の人物の記憶ーナラティヴィティの断片と物語の課題


使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2024年12月06日(金) 18:00〜20:00
場所: 601会議室
講演者: フランソワーズ・ラヴォカ(ソルボンヌ・ヌーヴェル 大学・フランス大学学士院)

物語に登場する架空の人物の記憶に関する世界規模のアンケート(その方法論を講演会の冒頭で簡単に紹介する)の結果から、回答者がアンケートの専用スペースに時折残したコメントを通じて、このアンケートが、架空の人物との関係性に関しどのようなことを明らかにしているかに焦点を当てたいと思う。これは私が「ナラティヴィティの断片」と呼んでいるもので、インタビューをした人、その人の世代、文化的背景によってかなり偏っている。さまざまな国で実施されたアンケートをもとに作られた、より発展した、時には対立と矛盾に満ちた物語を指すこともある。一方、これらの異なる部分的な物語を適用し、一般的結論を導き出す「大きな物語(grand récit)」については、とりわけ回答した人たちの層の限定性、異質性から、その人々の属する国の文化的一般性を示していない。アンケートの結果から、文化や国民性の違いを考慮に入れた、フィクションの分野における人々の想像力の多様性を忠実に且つ控えめに紐解くことを試みる。

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【講師】フランソワーズ・ラヴォカ(ソルボンヌ・ヌーヴェル 大学・フランス大学学士院)
フランソワーズ・ラヴォカは、ソルボンヌ・ヌーヴェル大学の比較文学教授、シカゴ大学名誉博士。フランス大学学士院およびヨーロッパ研究院(文学部門会長)会員。2018年からは、la Société internationale de recherche sur la fiction et la fictionnalité(国際フィクション研究協会)のディレクターを務める。現在、ソルボンヌ・ヌーヴェルの国際科副学長。研究分野は、フィクションの理論、自然災害の記憶、架空の人物の人口統計。著書に Fait et fiction, pour une frontière (パリ、スイユ、2016年、中国語・イタリア語訳)、Les personnages rêvent aussi (パリ、ヘルマン、2023年)、La mémoire des personnages fictionnels, résultats d'une enquête internationale(架空の人物の記憶、世界アンケートの結果)を出版予定。La démographie des personnages de roman (1798-1862)小説の登場人物の人口統計)の執筆中。


【司会】トマ・ガルサン(日仏会館・フランス国立日本研究所)、アントナン・ベシュレール (日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

séminaire doctoral

Le yuiitsu shintō de Yoshida Kanetomo (1435-1511) comme héritier de la culture de cour


使用言語:フランス語 (通訳なし)
日時: 2024年12月10日(火) 18:00〜20:00
場所: salle 601 & en ligne
講演者: Marina PANDOLFINO (EPHE – CRCAO, univ. Keiō)

Après inscription, les participants en distanciel recevront un lien Zoom le jour de la séance.

Yoshida Kanetomo (1435-1511) fonde à la fin du XVᵉ siècle à Kyoto le yuiitsu shintō (shintō unique), un nouveau courant de ce qu'il est convenu d'appeler « shintō », ou « voie des dieux ». Issu de la haute aristocratie et fonctionnaire au Jingikan (Ministère des affaires divines), Kanetomo crée une école dont il revendique la supériorité sur tous les autres systèmes religieux, y compris le bouddhisme.
Les recherches menées sur le yuiitsu shintō mettent souvent en avant la dimension novatrice de l'action de Kanetomo, tant par sa production de textes doctrinaux et rituels que par la systématisation du shintō qu'il s'attache à proposer.
Cet aspect ne doit cependant occulter l'ancrage du yuiitsu shintō dans les rites de cour. Kanetomo ne construit pas un système complètement nouveau, il s'appuie également sur les traditions de cour qui l'ont précédé et dont il est lui-même partie prenante, la famille Yoshida occupant de manière héréditaire des fonctions au Jingikan. Les cultes rendus aux dieux à la cour constituent ainsi le socle du yuiitsu shintō. C'est ce que mon intervention cherchera à mettre en évidence au travers de deux exemples : les sources textuelles explicitement mobilisées par Kanetomo, et les modes de transmission qu'il retient pour diffuser le yuiitsu shintō auprès de son public cible, l'élite aristocratique et dans une moindre mesure guerrière de Kyoto.

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Marina PANDOLFINO est affiliée à l'EPHE (CRCAO) en France et à l'université Keiō au Japon dans le cadre de la bourse MEXT de recherche.

Modérateurs : Sania CARBONE (Inalco, IFRAE), Raphaël LANGUILLON (IFRJ-MFJ)
Organisation : IFRJ-MFJ

Renseignements : doctorantsmfj@gmail.com ou contact@mfj.gr.jp

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

忠誠と愛国心の復活:21世紀の日本の教育と新保守主義


使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2024年12月11日(水) 18:00〜20:00
場所: 601会議室
講演者: アリーヌ・エニンジェ(オルレアン大学)

本講演で紹介する作品:クリスチャン ・ガラン、イヴ・カド、アリーヌ・エニンジェ共著『忠誠と愛国心の復活 : 21世紀の日本の教育と新保守主義』レンヌ大学出版会、2023年1月、376ページ

2000年代初め以降に行われた日本の教育面の改革の多くは、教育のあらゆる分野とセクターに取り組み、全てのアクターを巻き込み、あらゆる決定と適用のプロセスに影響を与え、内容と実践の面で全自由と自律の場を減らし、あるいは消滅させた。フランスでは決して紹介されなかったこの一連の改革に捧げられたのが、日本人自身の多くの証言も込められた著書 "Loyauté et patriotisme (le retour), Education et néo-conservatisme dans le Japon du XXIe siècle"『忠誠と愛国心の復活 : 21世紀の日本の教育と新保守主義』である。この講演会では、2023年初めに出版された本著を紹介し、そもそもは日本の教育制度に関わっているが、結果的には、日本の社会や政治にまで影響を及ぼしている改革を分析する。

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【講師】アリーヌ・エニンジェ(オルレアン大学)
アリーヌ・エニンジェは、オルレアン大学日本語学科准教授、レメリス研究所所属。フランス東アジア研究所協力研究員。研究分野は日本のジェンダー問題、特に幼少期のジェンダーの社会化、ジェンダー平等を推進する教育政策の進展。2019年以降、日仏の同僚とともに、近現代日本における古代の受容を分析する研究を行っている。(https://translatio.hypotheses.org/).

【司会】トマ・ガルサン(日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

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