Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

言語:JA / FR


日仏会館フランス事務所 / イベント・カレンダー

2024年2月のイベント

武器を手にした女たち---16 世紀から18 世紀フランスにおける女性の戦闘参加(旧タイトル:戦争と女性 ー近世フランスから考えるー)


使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2024年02月13日(火) 18:00〜20:00
場所: 601号室
講演者: シルヴィ・スタインベルグ(社会科学高等研究院)

定員に達したためお申込みを締め切りました

ジャンヌ・ダルクがフランスの歴史上の重要な人物となって久しいが、武器を手に戦闘に参加したその他の女性たちについて残された痕跡は少ない。しかしながら、アンシアン・レジーム期における攻城戦は、女性が積極的に都市の防衛に参加することを促した。また、女性であることを隠し軍隊に入隊し戦役に加わる女性たちもいた。戦闘に参加した女性たちは、例外的であり、社会的な規範を逸脱した存在とみなされていた。それにもかかわらず、同時代のエリートまた民衆に向けて書かれた文献では彼女たちは称賛されていたのである。フランス革命期には、祖国を防衛するため女性が入隊できるように女性部隊を編成する計画が持ち上がるが、男女同権的また愛国的な立場から成された主張として注目される。しかし、1793年、軍隊から女性は、随行者と酒保商人を例外として排除された。本講演は、女性戦闘員という近年多くの研究によって刷新されたテーマを取り上げ、彼女たちの体験の多様性に光をあてる。

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シルヴィ・スタインベルグは、アンシアン・レジーム(1618世紀)を専門とする歴史家、社会科学高等研究院教授、歴史研究センターに所属。グランゼコール準備級およびソルボンヌ大学で学び、アグレガシオンを取得。性の歴史の先駆者ジャン=ルイ・フランドランの指導のもと、近世における異性装に関する博士論文を執筆、同博士論文を『性の混同:ルネサンスから革命期までの異性装』(2001年)として上梓、フランスにおけるジェンダー史研究に貢献を行う。

以降、ジェンダー、身体の歴史に関する多様なテーマ(女性の身体的な経験、家族のなかの女性の地位、親子関係といった家族など)について研究、著書『額の汚点(しみ)1617世紀フランスにおける庶出子』(2016年)を出版。婚外子研究における主要な参考文献となった同著では、アンシアン・レジーム社会における社会的差異化のプロセスに光をあて、同社会では生まれとジェンダーと世襲制に基づく差異化が身分と特権の階層的な編成のなかに組み込まれていることを提示した。編著『もうひとつの性の歴史』(2018年)では、1970年代および80年代の歴史学の継承と刷新の観点から性の歴史に関する研究の総括をおこなう。フランスにおける女性史・ジェンダー史の主要な学術雑誌『クリオ:女性、ジェンダー、歴史』の共同編集長を務め、2000年には、性暴力の歴史への関心から、特集号『弄ぶこと、強要すること、強姦すること』の監修を行った。


【講師】シルヴィ・スタインベルグ(社会科学高等研究院)
【ディスカッサント】高澤紀恵(法政大学)
【司会】芹生尚子(東京外国語大学)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【後援】日仏歴史学会、JSPS科研費18K01023 

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

庭と風景 1

1950-60年代のフランスにおける新しい日本庭園


使用言語:フランス語 (通訳なし)
日時: 2024年02月14日(水) 18:00〜20:00
場所: ハイブリッド (601号室&オンライン)
講演者: 松木裕美(愛媛大学)

対面参加ご希望の方は、上の申し込みをクリックして登録してください

オンライン参加(Zoom)ご希望の方はこちらからお申し込みください

お申込み後、Zoomより、お申込み確認メールが送られてきます。

19世紀後半から日本庭園が造られてきた国・フランスにおいて、1950~60年代に2つの新しい庭園が造られた。アメリカの彫刻家イサム・ノグチによるパリのユネスコ庭園と、ブーローニュ=ビヤンクールのアルベール・カーン庭園に裏千家が寄贈した茶室と露地である。この講演では、アーカイブ資料と庭師の証言をもとに、この2つの庭園の注文と設計の経緯をたどり、冷戦期の国際関係と芸術のモダニズムが絡み合い新しいタイプの日本庭園が生み出されたことを明らかにする。

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パリのユネスコ庭園(写真:松木裕美)

松木裕美は美術史研究者。20世紀の公共空間における彫刻と、その建築、庭園、ランドスケープとの関係について研究。著書に、『イサム・ノグチの空間芸術―危機の時代のデザイン』(淡交社、2021年。日本造園学会賞)、編著にProjets de paysageの特集号 « Paysages et jardins japonais hors du Japon »(2024年1月発行予定、共編者Sylvie Brosseau, Catherine Grout)がある。

【講師】松木裕美(愛媛大学)

【司会】デルフィーヌ・ヴォムシャイド(日仏会館・フランス国立日本研究所)

【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所

 ※講演の最後に講師による日本語の総括有り

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

庭と風景2

近代ランドスケープ:日本とフランスの交錯


(通訳付き)
日時: 2024年02月15日(木) 18:00 - 20:00
場所: ハイブリッド (601号室&オンライン)
講演者: 秋田典子(千葉大学)、ソニア・ケラヴェル(ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校付属研究室)

対面参加ご希望の方は、上の申し込みをクリックして登録してください

オンライン参加(Zoom)ご希望の方はこちらからお申し込みください

お申込み後、Zoomより、お申込み確認メールが送られてきます。

秋田典子
「近代ランドスケープ分野におけるフランスと日本の繋がり」
フランスのランドスケープ分野を代表するヴェルサイユ国立高等園芸学校出身のアンリ·マルチネ(1867-1936)は、日本の都心の大規模公園である新宿御苑を設計(1906)した。さらに日本の造園学の創始者であり、かつマルチネの影響を受けた福羽逸人の弟子が、日本の国立大学で唯一、園芸学部を持つ千葉大学園芸学部のフランス式庭園を設計(1910)している。しかし、近代初期の日本の公園·緑地分野ではドイツとフランスの2派のうち、ドイツ派が優勢な状況が長く続き、さらに戦後はアメリカの影響も強く受けるようになった。それから約100年の時を経て、2023年に千葉大学園芸学部とベルサイユ国立高等園芸学校は初めて学術研究協定を締結した。さらに千葉大学は2023年度より「国際レジリエント·ランドスケープ学」研究拠点として、日仏のランドスケープ分野の交流を強力に推進している。今後のランドスケープ分野における新しい日仏交流への期待が高まる。

Sonia KERAVEL
「現代フランス人ペイザジストたちの日本に対する見解:交錯、インスピレーション」
この講演は、IFLA(国際造園家連盟)と、20世紀後半に日本を訪れた数々のフランス人ペイザジストのアーカイブをもとに、ランドスケープのプロたちが日本を訪れる際、何に着目するのかを見ていきます。ペイザジストたちは何を見に日本を訪れ、誰に会い、何を学び、どのような視点で日本を見るのだろうか?国際会議(IFLA 1964年と1985年)のテーマや、景観デザイナー(ミシェル·コラジュ、イングリッドとミシェル·ボーン)のスケッチブックや写真を通して、彼等の日本への旅がいかにフランスのペイザジストたちの実践に影響を与え、豊かにし、現在も実りある日仏対話を開くことに繋がっているのかについて考えます。



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秋田典子
千葉大学教授。緑地保全のための土地開発コントロールに関する研究で、東京大学、大学院工学系研究科、都市工学専攻博士号取得(2004年)。国土政策や自治体に関する中央政府の委員会のメンバーであり、日本造園学会、日本都市計画学会の理事を務める。「Urban Services to Ecosystems - Green Infrastructure Benefits from the Landscape to the Urban Scale」(Springer、2021年)など著書多数。2022年から2023年までフランス国立科学研究センター(CNRS)・ ENSA Paris-Belleville 招聘研究員。

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Sonia KERAVEL
社会科学高等研究院(EHESS)にて博士号取得、政府認定ランドスケープ・アーキテクト。ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校(ENSP)にてランドスケープ・デザインの理論と実践の研究指導員、上級講師を務める。ENSP付属研究室(LAREP)での研究分野は、プロジェクト批評とランドスケープ・デザインの歴史、大都市圏に対するランドスケープ・アプローチの特殊性、ランドスケープ・デザインの実践における視覚的表現(特に写真)の役割など。


【司会】水眞洋子(ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校付属研究室)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【共催】Sciencescope、千葉大学国際高等研究基幹、ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校付属研究室

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

ファノン - 植民地支配下における人種、ジェンダー、人間的実存


使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2024年02月16日(金) 18:00〜20:00
場所: 1階ホール
講演者: セルア・リュスト=ブルビナ(パリ・シテ大学)

定員に達したためお申し込みを締め切りました。

フランツ・ファノン(1925-1961)はフランスの精神科医、思想家、エッセイスト。当時は植民地帝国の領土であったマルティニークで育ち、独立戦争においては独立を支持し、アルジェリアで活動した人物です。彼は、その出自から得られた植民地社会の経験と、アルジェリアのブリダ精神病院における精神医学の実践に基づき、みずからの思想を育みました。また、エメ・セゼールの教え子であり、リヨンでメルロ=ポンティの講義を聴いた彼の作品は、1940年代から1950年代のフランス思想によって深い影響を受けています。彼は初期の著作からすでにサルトルの作品や概念を援用していることからもそれがうかがわれます。彼はサルトルと長い意見交換を1961年に行っており、サルトルはファノンの最後の著作となった『地に呪われたる者』(1961年)の前書きを記しています。 セルア・リュスト=ブルビナ氏はつねに「知の脱植民地化」をみずからの使命としてきました。ファノンは精神医学の実践を通じて被植民地化された主体の行動を見出していくのですが、リュスト=ブルビナ氏はその精神医学的実践に注目し、発話と声の重要性を主張することによって、いかにファノンが被植民地化された人びとが沈黙を破り、声を取り戻すようとりくんだかを中心に、ファノンの新たな姿を描こうと試みています。 ファノン思想の批判的射程は頂戴であり、その知的遺産は国際的な広がりを誇っています。『地に呪われたる者』の衝撃波は1960年代の日本にも到達し、エドワード・サイードやジュディス・バトラーが語るずっと以前から、さらにホミ・バーバがファノンをポストコロニアル批評の先駆者と位置づける以前から、多くの日本人知識人がアジア・アフリカの第三世界という理念で魅惑しました。 「第三世界」はフランス人知識人が提唱した概念ですが、ファノン自身は自国において大きく評価の割れる存在であり続けている。しかし、人口動態的に、地政学的に、あるいは環境正義の視点からいまでは「グローバル・サウス」と呼ばれる地域への注目が増すなか、ファノンという孤高の普遍主義者を見直すべき時がきているように思われます。

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セルア・リュスト・ブルビナ

パリ・シテ大学、社会・政治変動研究所の連携研究員、哲学者。パリ政治学院で政治理論を教え、国際哲学コレージュでは「知の脱植民地化」プログラムのディレクターを務めた。フランス人の母とアルジェリア人の父の間に生まれ、学際的な視点から、旧植民地、旧宗主国双方におけるポストコロニアル的推移に関心を持つ。主な著書に『放浪する鏡像あるいは知の脱植民地化(芸術、文学、哲学)』 (2018年)、『アフリカとその亡霊たち――それ〈以後〉を書くこと』(2015年)などがあり、編著として『彼ら自身による10人のアフリカ思想家』(2015年)がある。また、2022年には『アルジェー東京――アジアにおける反植民地主義の使者』を出版し、戦時下のアルジェリアとアジアとの外交的つながりや、「アジア-アフリカ横断的なサウス」をめぐる知識人たちの連帯を浮き彫りにした。

鵜飼 哲

一橋大学名誉教授。20世紀後半のフランス文学・思想を専攻。とりわけ、いずれもがフランスの旧植民地、特にマグレブと深い関わりを持つジャン・ジュネとジャック・デリダを研究対象としている。主な日本語の著書に以下のものがある。『いくつもの砂漠、いくつもの夜――災厄の時代の喪と批評』(2023年)、『動物のまなざしのもので――種と文化の境界を問い直す(2022年)、『ジャッキー・デリダの墓』(2014年)など。また、ジュネーやデリダの著作を数多く翻訳している。

澤田 直

立教大学教授。20世紀フランスの思想と文学、とりわけジャン=ポール・サルトルとジャン=リュック・ナンシーを主な研究対象としている。また、マグレブやカリブ海のフランス語圏文学にも造詣が深い。主な日本語の著書に以下のものがある。『サルトルのプリズムーー20世紀フランス文学・思想論』(2019年)、『サルトル読本』(2015年)、『ジャン=リュック・ナンシーーー分有のためのエチュード』(2013年)など。また、サルトル、ナンシー、フィリップ・フォレストの作品を数多く翻訳している。

【講師】セルア・リュスト=ブルビナ(パリ・シテ大学)
【ディスカッサント】鵜飼哲(一橋大学)
【司会】澤田直(立教大学、(公財)日仏会館)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所、セルア・リュスト・ブルビナ氏招聘グループ
【協力】(公財)日仏会館、科研費 基盤研究(B20H04419

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

庭と風景3 - 日仏会館ジャポニズム定例会2024

版画から庭園へ:日仏の造園家たちの見解が出会うとき


使用言語:フランス語 (通訳なし)
日時: 2024年02月19日(月)  18:00 - 20:00
場所: ハイブリッド (601号室&オンライン)
講演者: 水眞洋子(ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校付属研究室)

対面参加ご希望の方は、上の申し込みをクリックして登録してください

オンライン参加(Zoom)ご希望の方はこちらからお申し込みください

お申込み後、Zoomより、お申込み確認メールが送られてきます。

20世紀初頭のフランスでは、ジャポニズムは庭園を含むほとんどの芸術分野で存在していた。パリの万国博覧会は、フランス人造園家や庭師たちにとって、日本の庭園を初めて見る絶好の機会であった。これらの造園家の中には、裕福層からの依頼を受け、日本庭園の造園を試みる者もいた。ロベール・ド・モンテスキュー、グレフュール伯爵夫人、ユーグ・クラフト、アルベール・カーン、エドモンド・ロートシルト、ジェイムズ・ド・ケルジェグ、エフルシ・ド・ロートシルト、ウジェーヌ・ベルジェール、ガネー侯爵夫人などといった裕福な所有者達が自身の私有地に日本庭園や和風庭園を造らせた。造園された庭園の正式な数はまだ確定されていない。ちょうど同じ頃、日本ではフランスのジャポニズムに似た現象が起きていた。庭園や造園の芸術もまた、西洋の様式の影響を受けながら進化しており、19世紀末から20世紀初頭にかけて作られた公園や庭園の中には、西洋と日本のハイブリッドな形式概念とでも呼ぶべきものが見られる。例えば、東京の新宿御苑(1906年)は、明らかに第二帝政期のフランス風景式の影響を受けている庭園であり、初の日仏共同事業によって完成した庭園である。このように日仏両国において造成された庭園らは、海外の専門書や図鑑に頼りながら知識や技術を学ぼうとした造園家たちの努力によるものだけでなく、両国の現場において実際に行われた造園家や庭師たちの交流の賜物でもある。本講演では、20世紀初頭の庭園芸術における日仏の相互的な影響について、20世紀初頭の現場における造園家たちの実際の交流や見解の交差にフォーカスを当てて考察する。

※講演の最後に講師による日本語の総括有り

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水眞洋子は2001年、琉球大学農学部卒業後、景観学(2010年、ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校)、景観科学博士(2017年、ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校)取得。 ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校付属研究室(LAREP)の准研究員、パリ首都圏の大規模都市再開発計画「Grand Paris」研究プロジェクトの研究エンジニアを務め、異文化、特に日仏と専門領域の交錯に焦点を当てながら、さまざまなスケールの風景、庭園、都市空間、領土に関するテーマを扱う。

【司会】ジル・マスタルスキー(東アジア文明研究センター、東京国際フランス学園)、ソニア・ケラヴェル(ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校付属研究室)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【共催】Sciencescope、東京国際フランス学園、千葉大学国際高等研究基幹、ヴェルサイユ国立高等ペイザージュ学校付属研究室

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

Lunch Seminar on Japanese Economy and Society

Banking on Japan: why a sustainable future holds rich opportunities


使用言語:英語 (通訳なし)
日時: 2024年02月20日(火) 12:30 - 14:00
場所: room 601 & online
講演者: Bruno GAUSSORGUES (Representative Director, Group Country Head of Société Générale Japan)

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Speaker: Bruno Gaussorgues (Representative Director, Group Country Head of Société Générale Japan)

Japan committed at the end of 2020 to net zero emissions by 2050. However, the country’s energy situation is extremely complex. It has the worst energy efficiency rate among major OECD countries, relies heavily on fossil fuels for power production, and enjoys no electricity interconnections with other countries. Additionally, there are few suitable sites in Japan for renewable energy production, while public opposition to nuclear power is considerable following the Fukushima nuclear disaster. To tackle these hurdles and achieve the 2050 net zero objective, the government has set-up a comprehensive and ambitious energy transition policy framework. Named the Green Transformation (GX), this set of policies aims to explore all dimensions of the energy transition, from electricity production and energy savings, to mobility. Société Générale looks ahead to the next phase of economic development in Japan based upon the nation’s track record in advanced engineering, its well-established financial markets and cohesive decarbonization policies. Bruno Gaussorgues, Group Country Head of Société Générale Japan, will share insights on Japan’s energy transition.

Bruno Gaussorgues joined Société Générale in 2010 as Market Risk Assessor. In 2012, he became Co-Head (until 2015) and then Head of Risk on Capital Market activities.
In September 2021, he was appointed as Representative Director and Group Country Head of Société Générale Securities Japan Limited and he was appointed as Branch Manager and Group Country Head of Société Générale, Tokyo Branch in December.
Before joining Société Générale, Bruno was Global Head of Market Risk for Natixis, Global Risk Manager for Gaselys (Gaz de France), and held several senior positions in market risk on Capital Market activities in Paris and London for Crédit Lyonnais and Crédit Agricole.

Moderator: Raphaël Languillon-Aussel (FRIJ-MFJ)
Organization: FRIJ-MFJ
Co-organization: CCI France Japon
Support: French Embassy in Japan

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

第39回渋沢・クローデル賞(フランス側)受賞記念講演会

前期倭寇の航海ルートと航海技術 ~14世紀後半から15世紀前半まで~


使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2024年02月26日(月) 18:00〜20:00
場所: 1階ホール
講演者: ダミアン・プラダン(ボルドー・モンテーニュ大学)

1350年から1450年にかけて、東シナ海は、日本史では「倭寇」として知られる日本列島から発した海賊の急増によって震撼した。「倭寇」は、最盛期には数百隻の船を集めて朝鮮半島と中国大陸の沿岸を襲撃するほどの力を持っていた。この歴史的現象は、多くの人々の研究対象とされてきたが、海賊行為と実は密接な関係にある航海の要素はしばしば度外視されている。海賊たち自身は文書を残していないため、陸地に到達する前の海上での彼らの活動を知る手がかりとなる情報源はほとんどないと言ってよい。

論文の抜粋となるこの講演では、11世紀から15世紀の東アジアで見られる一般的な航海の慣習(風と海流の利用、航路、航海技術等)から始め、倭寇に特有の航海技術に焦点を当てる。彼らの辿った航海ルート、風と海流の利用、海賊行為の季節、集団航行に特有の困難だけでなく、使用した船についても解明する。さらに、これらすべての側面が数十年にわたってどのように変化したか、倭寇が東シナ海の特殊な条件に経験的にどのように適応していったかについても考察する。

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ダミアン・プラダンは歴史学者、東アジアの海洋史の専門家。 20211月にパリ・シテ大学で審査された博士論文「Le temps de la grande piraterie japonaise : Transformation des circulations maritimes en mer de Chine orientale, 1350-1419(大規模倭寇の時代 ー変遷する東シナ海の流通ー 1350年から1419年を中心に)」では、日本列島から発し、14 世紀から15世紀にかけて朝鮮半島と中国大陸沿岸に急増した海賊「倭寇」を取り上げている。 彼の研究は、この現象を複数の観点(政治、外交、経済、技術など)から分析し、この海賊行為によって、東シナ海の貿易と流通の形態がどの程度まで深く再定義されたかを理解することを目的としている。 20219月よりボルドー・モンテーニュ大学韓国学部准教授。

【講師】ダミアン・プラダン(ボルドー・モンテーニュ大学)
【司会】トマ・ガルサン(日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【協賛】(公財)渋沢栄一記念財団、学校法人帝京大学
【協力】(公財)日仏会館、フランス国立社会科学高等研究院・日仏財団
【後援】在日フランス大使館、読売新聞社

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

Séminaire doctoral

Le mécanisme du shinsho japonais en évolution – réflexion à travers l’histoire et le processus de fabrication


使用言語:フランス語 (通訳なし)
日時: 2024年02月27日(火) 18:00〜20:00
場所: 601号室&オンライン
講演者: Mai ONO (univ. Paris Cité)

*Après inscription, pour les participants en distanciel, un lien Zoom vous sera envoyé avant la séance.

Cette thèse s'intéresse à la façon dont est produit et fonctionne le shinsho, ainsi qu'aux acteurs qui y sont impliqués. Il s'agit d'abord de d'expliciter l'histoire du shinsho depuis 1938 à travers le prisme du « kyōyō », un concept de culture générale. Ensuite, je tenterai de décrire et d'expliquer le fonctionnement du shinsho. Si, aujourd'hui, le shinsho est assez légitime pour être utilisé dans les examens d'entrée à l'université ou, tout simplement, pour se faire appeler comme « shinsho de kyōyō », on suppose qu'il existe un mécanisme qui permet de garder cette légitimité auprès du (grand) public. La structure de ce mécanisme serait à chercher, premièrement, dans le concept largement accepté par la société de « kyōyō », deuxièmement dans le tirage relativement élevé par rapport aux livres académiques et, enfin, dans les efforts des différents acteurs pour rendre les textes « compréhensibles ». Ces éléments propres à son fonctionnement sont décrits par Roger Chartier comme « l'universalisation du particulier », « la publication du secret » et « la "fictionnalisation" du discours » (Chartier, 2000). L'objectif de la présentation serait donc de montrer ce mécanisme, comment celui-ci est construit dans le milieu du shinsho contemporain, et comment il est en train d'évoluer.

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Titulaire d'un Master en sciences sociales de l'université de Hitotsubashi au Japon, Mai ONO prépare actuellement une thèse intitulée La culture pour tout public au XXe siècle : une étude de l'édition japonaise et du format« shinsho » sous la direction de Cécile SAKAI, professeure émérite à l'université Paris Cité et de Florent Champy au CNRS. Depuis 2021, elle réside au Japon afin de mener son travail de terrain et de recherches en archives.

Modérateur : Pierre-Jean COLAS (Inalco)
Organisation : IFRJ-MFJ 

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

ケアとケア労働 - 日本とフランスにおける新たな課題


(同時通訳付き)
日時: 2024年02月28日(水) 18:00〜20:00
場所: ホール
講演者: サンドラ・ロジェ(パリ第1パンテオン・ソルボンヌ大学)、岡野八代(同志社大学)

サンドラ・ロジェ 「ケア、不可視化と傷つけられやすさ」

ケアの倫理は、まず女性的なものとして認識されていた道徳的価値観(ケア、他者への配慮、思いやり)を高める提案によって、倫理の支配的な概念を修正することに貢献した。 それは、倫理の問題を政治に持ち込み、傷つけられやすさを道徳の中心に据えた。 支配的な道徳理論を活気づける自律性の理想に逆らって、ケアは、私たちは皆、自分の欲求を満たし、日常生活や災害時でも生きていくために他者を必要としているということを思い出させてくれる。ケアの倫理は、道徳に導入されて以来、社会的プロジェクトとしてより広範囲に明らかになった。一方、ケアの断片化により、他者のための取組みにおける道徳的および政治的自立の本当の基盤が見えにくくなっている。

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サンドラ・ロジェは、パリ第1パンテオン・ソルボンヌ大学の哲学科教授、IUF 会員。 ERC Advanced Grant DEMOSERIES プログラムの主任研究者。 言語哲学と道徳哲学に関する多数の著作あり。近著に 『Nos vies en series』(Climats、2019)、『Series, Laboratory ofoliticalwakening』(CNRS Editions、2023)、『TV-Philosophy』(University of Exeter Press)がある。


岡野八代「ケア、環境、安全保障 ー日本における事例から」

ケアは一般的に、調和的で暖かな親密な関係性のなかで行われる営みだと理解されがちである。しかしわたしがケア研究、とくにケアの倫理研究に出会ったのは、日本軍「慰安婦」問題を研究するなかであった。ケアとは、圧倒的な暴力、理不尽な暴力に傷つけられた者たちへの注視をも意味している。日本は、毎年必ず日本列島に襲い掛かる台風や、2024年お正月の能登半島大地震でまたしても目を開かされたように、とても脆弱で、日本に住む誰しもが突然、なすすべもなく自然に飲み込まれてしまうような環境のなかにある。他方で、コロナ禍のなか、医療をはじめとした公的なケアがいかに不足しているかを経験したが、そうしたことは忘れたかのように、日本政府は軍事倍増、世界第三の軍事大国を目指そうとしている。ケアの倫理研究から、いかに現在の日本の環境と安全保障問題を考えることができるのか。

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岡野八代は同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教員、専門は西洋政治思想史・フェミニズム理論。主著に『ケアの倫理――フェミニズムの政治思想』(岩波新書、2024年)、『ケアするのは誰か?――新しい民主主義のかたちへ』(白澤社、2020年)、『戦争に抗するー-ケアの倫理と平和の構想』(岩波書店、2015年)、『フェミニズムの政治学――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房、2012年)など。共著に牟田和恵・丸山里美・岡野八代『女性たちで子を産み育てるということ――精子提供による家族づくり』(白澤社、2021年)、高橋哲哉・岡野八代『憲法のポリティカー-哲学者と政治学者との対話』(白澤社、2010年)。訳書に、ケア・コレクティブ著『ケア宣言――相互依存の政治へ』(大月書店、2021年)、アイリス・ヤング著『正義への責任』(岩波文庫、2022年)、エヴァ・フェダー・キテイ著『愛の労働 あるいは依存とケアの正義論 新装版』(白澤社、2023年)など。

【司会】ソフィー・ウダール(日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

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