上海フランス租界への招待 [ラウンド・テーブル]
使用言語:日本語(通訳なし) 日時:2023年7月4日(火)18:30〜20:30 場所:601号室 講演者:榎本泰子(中央大学)、井上さつき(愛知県立芸術大学名誉教授)、難波ちづる(慶應義塾大学)
2023年1月に刊行された論集『上海フランス租界への招待』(勉誠出版)を手掛かりとして、上海フランス租界の多様な魅力や今後の研究の可能性について議論します。 日本ではこれまで膨大な数の「上海本」が出版されてきましたが、そのほとんどは、イギリスとアメリカが管理した共同租界や日本人が多く移住した虹口地区(共同租界北部)に焦点を当てたもので、フランス租界についてはまだあまり知られていません。 このラウンド・テーブルでは、研究グループの代表者でもある榎本泰子氏による概容紹介のあと、評者として井上さつき氏と難波ちづる氏を迎えて、それぞれ「ヨーロッパ音楽史」と「フランス植民地史」の視点から批評をしていただきます。
榎本泰子 中央大学文学部教授。専門は中国近代文化史、比較文化。主な著書に『上海オーケストラ物語―西洋人音楽家たちの夢』(春秋社、2006年)、『上海―多国籍都市の百年』(中公新書、2009年)、『「敦煌」と日本人―シルクロードにたどる戦後の日中関係』(中公選書、2021年)、論文に「上海フランス租界史研究の現段階」(『紀要 言語・文学・文化』第129号、中央大学文学部、2022年)などがある。
井上さつき 愛知県立芸術大学名誉教授。専門は近代フランス音楽史と日本の洋楽器受容史。主著に『音楽を展示する―パリ万博1855-1900』(法政大学出版局、2009年)、『フランス音楽史』(春秋社、共著、2010年)、『日本のヴァイオリン王―鈴木政吉の生涯と幻の名器』(中央公論新社、2014年)、『ラヴェル(作曲家・人と作品シリーズ)』(音楽之友社、2019年)、『ピアノの近代史―技術革新、世界市場、日本の発展』(中央公論新社、2020年)などがある。
難波ちづる 慶應義塾大学経済学部教授。専門はフランスのインドシナ植民地統治史。著書にFrançais et Japonais en Indochine(1940-1945). Colonisation, propagande et rivalité culturelle (Paris, Éditions Karthala, 2012). 主要論文に、"La France face aux procès de Saigon et de Tokyo" (Outre-Mers, Revue d'histoire, no.380-381, 2013)、「インドシナにおけるフランス植民地支配の終焉―ゴム・プランテーションにおける労働者問題を中心に」(『社会経済史学』84巻2号、2018年)、 "Between Colony and Metropole : Repatriation of Vietnamese Workers from Post-war France " (Mousson, no.32, 2018), "Colonization and forestry in French Indochina: The control, use, and exploitation of forests" (Asian Review of World Histories, 9-1, 2020)などがある。
【司会】ベルナール・トマン(日仏会館・フランス国立日本研究所) 【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所、科学研究費基盤研究B「上海フランス租界を結節点とする日仏中三カ国の文化交流史」(研究代表者:榎本泰子)
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