Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

言語:JA / FR


日仏会館フランス事務所 / イベント・カレンダー

2013年10月のイベント

日仏会館創立90周年記念シンポジウム

両大戦間における日仏関係の新段階

[ 日仏シンポジウム ]

使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2013年10月05日(土) 13:00 - 17:35
場所: 1階ホール
PELLETIERDoisy_montage_vignette.jpgのサムネール画像
フランス人パイロット、ジョルジュ・ペルティエ=ドワシーによるパリ・東京間の長距離飛行(1924 年) 木版画、
ジャック・ブレール作、1926 年 クリスチャン・ポラック蔵
 (モンタージュ)

【趣旨】
 1920年代は、第一次大戦の戦勝国として世界五大国の仲間入りをはたした日本が西洋列強との関係を再編し交流が多角化した時期にあたる。1921年にフランスが大物大使ポール・クローデルを東京に送り、財界の大御所・渋沢栄一の協力を得て、1924年、フランスの日本研究者養成と日本におけるフランスの学術文化移転の拠点として日仏会館を設立したことは、1929年パリ国際大学都市に留学生用の日本館が開設されたことと合わせ、日仏交流の新段階を切りひらく象徴的意味をもつ。
 本シンポジウムでは、第一次大戦後の国際秩序がヨーロッパはヴェルサイユ体制、太平洋・極東はアメリカ主導のワシントン体制として再編されるなかで、いかにしてフランスの対日戦略と日本の対仏戦略が出会い日仏会館が設立されたかを検証し(国際関係・外交の軸)、あわせて1920年代に文学や美術・音楽・建築など芸術諸分野での日仏交流がいかに深まったかを振り返る(文化・芸術の軸)。


2013年10月5日(土)

【開会】
クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所所長)
松浦晃一郎(公益財団法人 日仏会館理事長)
クリスチャン・マセ(駐日フランス大使)

【イントロダクション】
三浦信孝(中央大学、公益財団法人 日仏会館)

【第一セッション】
第一次大戦前後のフランスの対日政策
  • 司会 三浦信孝
  • マチウ・セゲラ(東京国際フランス学園、日仏会館・フランス国立日本研究センター)
  • クリスチャン・ポラック(明治大学、EHESS)
  • 川島 真(東京大学)
【第二セッション】
第一次大戦後の日仏接近における法学者の役割
  • 司会 北村一郎(東京大学、公益財団法人 日仏会館)
  • ベアトリス・ジャリュゾ(リヨン政治学院、IAO 東アジア研究所)
  • アルノ・ナンタ(CNRS、日仏会館・フランス国立日本研究センター)

2013年10月6日(日)

【第三セッション】
大使ポール・クローデルとフランス語フランス文化の普及
  • 司会 クリストフ・マルケ
  • 小林 茂(早稲田大学)
  • 中條 忍(青山学院大学)
  • ミシェル・ワッセルマン(立命館大学)
【第四セッション】
フランス人の日本への関心、日本人のフランスへの関心
  • 司会 三浦信孝
  • クリストフ・マルケ(Inalco、日仏会館フランス事務所) 
  • 林 洋子(京都造形芸術大学)
  • 山名善之(東京理科大学) 
【第五セッション】
日仏間の学術移転と学術交流
  • 司会 クリストフ・マルケ
  • ロラン・ネスプルス(Inalco、日仏会館・フランス国立日本研究センター) 
  • 藤原貞朗(茨城大学)
【結論】 クリストフ・マルケ

【主催】 公益財団法人日仏会館、日仏会館フランス事務所
【助成】 公益財団法人石橋財団、アンスティテュ・フランセ日本、中央大学
【後援】 在日フランス大使館、公益財団法人渋沢栄一記念財団


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          PDF版 プログラム

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

日仏会館創立90周年記念シンポジウム

両大戦間における日仏関係の新段階

[ 日仏シンポジウム ]

使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2013年10月06日(日) 10:00 - 17:30
場所: 1階ホール
PELLETIERDoisy_montage_vignette.jpgのサムネール画像
フランス人パイロット、ジョルジュ・ペルティエ=ドワシーによるパリ・東京間の長距離飛行(1924 年) 木版画、
ジャック・ブレール作、1926 年 クリスチャン・ポラック蔵
 (モンタージュ)

【趣旨】
 1920年代は、第一次大戦の戦勝国として世界五大国の仲間入りをはたした日本が西洋列強との関係を再編し交流が多角化した時期にあたる。1921年にフランスが大物大使ポール・クローデルを東京に送り、財界の大御所・渋沢栄一の協力を得て、1924年、フランスの日本研究者養成と日本におけるフランスの学術文化移転の拠点として日仏会館を設立したことは、1929年パリ国際大学都市に留学生用の日本館が開設されたことと合わせ、日仏交流の新段階を切りひらく象徴的意味をもつ。
 本シンポジウムでは、第一次大戦後の国際秩序がヨーロッパはヴェルサイユ体制、太平洋・極東はアメリカ主導のワシントン体制として再編されるなかで、いかにしてフランスの対日戦略と日本の対仏戦略が出会い日仏会館が設立されたかを検証し(国際関係・外交の軸)、あわせて1920年代に文学や美術・音楽・建築など芸術諸分野での日仏交流がいかに深まったかを振り返る(文化・芸術の軸)。


2013年10月5日(土)

【開会】
クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所所長)
松浦晃一郎(公益財団法人 日仏会館理事長)
クリスチャン・マセ(駐日フランス大使)

【イントロダクション】
三浦信孝(中央大学、公益財団法人 日仏会館)

【第一セッション】
第一次大戦前後のフランスの対日政策
  • 司会 三浦信孝
  • マチウ・セゲラ(東京国際フランス学園、日仏会館・フランス国立日本研究センター)
  • クリスチャン・ポラック(明治大学、EHESS)
  • 川島 真(東京大学)
【第二セッション】
第一次大戦後の日仏接近における法学者の役割
  • 司会 北村一郎(東京大学、公益財団法人 日仏会館)
  • ベアトリス・ジャリュゾ(リヨン政治学院、IAO 東アジア研究所)
  • アルノ・ナンタ(CNRS、日仏会館・フランス国立日本研究センター)

2013年10月6日(日)

【第三セッション】
大使ポール・クローデルとフランス語フランス文化の普及
  • 司会 クリストフ・マルケ
  • 小林 茂(早稲田大学)
  • 中條 忍(青山学院大学)
  • ミシェル・ワッセルマン(立命館大学)
【第四セッション】
フランス人の日本への関心、日本人のフランスへの関心
  • 司会 三浦信孝
  • クリストフ・マルケ(Inalco、日仏会館フランス事務所) 
  • 林 洋子(京都造形芸術大学)
  • 山名善之(東京理科大学) 
【第五セッション】
日仏間の学術移転と学術交流
  • 司会 クリストフ・マルケ
  • ロラン・ネスプルス(Inalco、日仏会館・フランス国立日本研究センター) 
  • 藤原貞朗(茨城大学)
【結論】 クリストフ・マルケ

【主催】 公益財団法人日仏会館、日仏会館フランス事務所
【助成】 公益財団法人石橋財団、アンスティテュ・フランセ日本、中央大学
【後援】 在日フランス大使館、公益財団法人渋沢栄一記念財団


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* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

危機に直面する欧州市民権

[ 講演会 ]

使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2013年10月11日(金) 18:30 - 20:30
場所: 601号室
講演者: ジュスチーヌ・ラクロワ (ブリュッセル自由大学)
photo_lacroix-justine-38.jpgのサムネール画像

【要旨】
ハンナ・アーレントの有名な1951年の著作(『全体主義の起源2 帝国主義』)に依拠して、本講演は「権利をもつ権利」と定義される市民権をヨーロッパの場合に即して考察する。なぜなら、欧州市民権の原理は新しいフェデラルレベルの市民権の構築にあるのではなく、個々の加盟国のナショナル市民権を互いに他に開放することにあるからだ。この意味で、欧州市民権とは「権利をもつ権利」を欧州連合の全加盟国に拡大することを意味する。EUがかかる権利の脱ナショナル化の論理を積極的に推進していたならば、EUは基本権行使の条件とされてきたナショナル・アイデンティティの境界を突き崩す空間として立ち現れることもできただろう。

ここで条件法を使ったのは二つの理由による。第一の理由は、新しいものではなく、ヨーロッパは国籍上の帰属と権利の承認を切り離す試みの実験室たろうとする野心を掲げてきたし、一定の成果をあげてきたが、移民・庇護政策に関しては制限的な方針を採ってきたことである。第二の理由は、より最近のもので、国境を超えた世界市民的市民権が後退の危険にさらされていることである。獲得された世界市民的市民権はまだ脆弱なものだが、その成果が倒錯的なかたちで悪用されているとは言わないが、後退の危険にさらされているのである。ヨーロッパの諸国民が、相互承認から相互不信に傾き、人の移動が社会的国家の獲得物に寄生する危険が、今日われわれの目の前にある。

【ディスカッサント】 山元一(慶応大学)

【主催】 日仏会館フランス事務所、中央大学


* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

福島で保護と服従

[ 学術会議 ]

使用言語:日本語 (同時通訳付き)
日時: 2013年10月15日(火) 18:00 - 21:00
場所: 1階ホール
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会津若松の仮設住宅に住む被災者 © Cécile Asanuma-Brice

【趣旨】
福島の原発被害は、国、怪しいネットワーク、科学者、専門家、反専門家、「市民運動」や各種団体がいかにして連鎖的に起った災害の共同管理者となり、上位の利害のために、つまり保護するために働くようになったかを明らかにした。ただし、原子力災害対策を通して私たちが観察してきたように、現代の保護とは服従と表裏一体ではないか?どのような曖昧な関係が保護と服従にはあるのか?

【発表者】
10.15:保護と科学者服従
 キース・ベーヴァーストック(東フィンランド大学)
 後藤 忍(福島大学)
 影浦 峡(東京大学)
 コリン・コバヤシ(ジャーナリスト、作家)
 下地真樹(阪南大学)

10.16:保護と市民服従

 アルノ・ミション(原子力批判の著者)
 中手聖一(原発事故子ども・被災者支援法市民会議代表世話人)
 武藤類子(脱原発福島ネットワークハイロアクション)
 鵜飼 哲(一橋大学)
 
【司会】
ティエリー・リボー (Clersé CNRS・リール第1大学)
セシル・浅沼=ブリス (日仏会館・フランス国立日本研究センター)

【主催】 
日仏会館フランス事務所
Clersé (フランス国立科学研究センター、リール第1 大学)
【協力】
フランス国立科学研究センター
LIA「人間の保護と災害への対応」


2013-10-15-16_Fukushima.jpgのサムネール画像

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

福島で保護と服従

[ 学術会議 ]

使用言語:日本語 (同時通訳付き)
日時: 2013年10月16日(水) 18:00 - 21:00
場所: 1階ホール
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会津若松の仮設住宅に住む被災者 © Cécile Asanuma-Brice

【趣旨】
福島の原発被害は、国、怪しいネットワーク、科学者、専門家、反専門家、「市民運動」や各種団体がいかにして連鎖的に起った災害の共同管理者となり、上位の利害のために、つまり保護するために働くようになったかを明らかにした。ただし、原子力災害対策を通して私たちが観察してきたように、現代の保護とは服従と表裏一体ではないか?どのような曖昧な関係が保護と服従にはあるのか?

【発表者】
10.15:保護と科学者服従
 キース・ベーヴァーストック(東フィンランド大学)
 後藤 忍(福島大学)
 影浦 峡(東京大学)
 コリン・コバヤシ(ジャーナリスト、作家)
 下地真樹(阪南大学)

10.16:保護と市民服従

 アルノ・ミション(原子力批判の著者)
 中手聖一(原発事故子ども・被災者支援法市民会議代表世話人)
 武藤類子(脱原発福島ネットワークハイロアクション)
 鵜飼 哲(一橋大学)
 
【司会】
ティエリー・リボー (Clersé CNRS・リール第1大学)
セシル・浅沼=ブリス (日仏会館・フランス国立日本研究センター)

【主催】 
日仏会館フランス事務所
Clersé (フランス国立科学研究センター、リール第1 大学)
【協力】
フランス国立科学研究センター
LIA「人間の保護と災害への対応」


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『風任せ』(Le sens du vent)
原子力化:再生可能な幻想とエネルギー政策への批判

[ 講演会 ]

使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2013年10月17日(木) 18:30 - 20:30
場所: 601号室
講演者: アルノ・ミション
Le sens du vent - Notes sur la nucléarisation de la France au temps des illusions renouvelables-,
Editions de l'Encyclopédie des Nuisances, Paris, 2010.


【要旨】
2007年以来、アルノ・ミションは原子力反対を掲げた活動を積極的に行ってきた。2010年に刊行した『風任せ(Le Sens du vent)』では、原子力のみならず、その代替となるような技術についても批判を加えている。発展を自明とする政治や社会の状況そのものを非難しているのだ。ミションの言葉を借りるならば、「それほどのエネルギーが本当に必要なのか?」「なんのために必要なのか?」「いったいどんな生活を望んでいるというのか?」といった疑問に集約することができる。

【ディスカッサント】 ティエリー・リボー(CLERSE/フランス国立科学研究センター、リール第1大学)

【主催】
日仏会館フランス事務所
CLERSE(フランス国立科学研究センター、リール第1大学)
【協力】
LIA「人間の保護と災害への対応」  (CNRS-InSHS)

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読書グループ PHILIA :
Marcel Proust, Du côté de chez Swann (1913)

[ 研究会 ]

使用言語:フランス語 (通訳なし)
日時: 2013年10月21日(月) 17:00 - 19:00
場所: 604号室
  • 主催:Groupe de lecture PHILIA
  • 共催:日仏会館フランス事務所
  • 申込: Mme Daniella Séville-Fürnkäs : daniseville[の後に @yahoo.fr]

(参加には事前のお申し込みが必要となります。どうぞご了承ください。)

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連続講演会「危機を考える」

贈与から見た社会

[ 講演会 ]

使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2013年10月24日(木) 18:30 - 20:30
場所: 1階ホール
講演者: フィリップ・シャニアル (パリ・ドーフィンヌ大学)
【要旨】
高度に資本主義化した社会に出口はないのだろうか。あらゆることが競争や利益といった市場原理により貫かれている現代。贈与というきわめて原初的な人間行動は、われわれにどんな示唆を与えるのか。本講演では、マルセル・モースが分析した「贈るー受け取るーお返しする」という贈与のパラダイムを改めて見直すことで、反功利主義的な人間関係に基づいた新しい市民社会の可能性を探る。
雑誌『La Revue du MAUSS』(社会科学における反功利主義運動)編集長と危機を考える。

【ディスカッサント】 荻野昌弘(日仏社会学会/関西学院大学)
【司会】 クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所)

【主催】 日仏会館フランス事務所
【助成】 アンスティチュ・フランセ、在日フランス大使館
【協力】 日仏社会学会


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【関連イヴェントのお知らせ】
10月22日(火)18時から、ブリュノ・ヴィアール(マルセイユ・プロヴァンス大学)氏による「マルセル・モース、利己主義と愛他主義の和解」と題したセミナーを行います。詳しくはこちらをご覧ください。

10月26日(土)に開催される日仏社会学会大会に於いて、フィリップ・シャニアル氏が基調講演(『政治哲学としての社会学』)を行います。詳しくはこちらをご覧ください。

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東アジアにおける土地市場と金融

[ ラウンドテーブル ]

使用言語:日本語 (通訳なし)
日時: 2013年10月26日(土) 14:00 - 17:00
場所: 501号室
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Hong Kong © N. Aveline

【趣旨】
 現在の不動産は,金融市場と密接な関連を持っています。中でも,リート(REIT)のような不動産証券化は大きな役割を果たしています。日本において株式市場上場型リートは,今から12年前の2001年に導入されました。現在は,非常に不動産市場が好調な年であり,ミニ・バブルのような状況です。前回のミニ・バブルは,リーマン・ショックの後2008年に終わったわけですが,リート指数はそれに近くなっています。
 このセミナーは,東アジアの不動産証券化のあり方について明らかにする試みです。CNRSのナターシャ・アブリヌ上級研究員は,日本のバブル期の不動産について分析した著書(La bulle foncière au Japon (1995))で第12回渋沢・クローデル賞を受賞していますが,近年の日本の証券化のあり方を香港のあり方と比較します。また,国土交通省において実務を担当した石川卓弥・一般財団法人不動産適正取引推進機構研究理事から「日本の不動産投資市場と不動産証券化:歴史と特徴」について,また,磯貝敬智さんから,高齢化社会への対応などの国土交通省の具体的施策との関連での不動産証券化の意義についてお話していただきます。更に,東急リバブルなど民間セクターでの勤務経験を有するアレクサンドル・ジロ、パリ第一大学大学院生が,不動産証券化と東京の都市としての魅力づくりとの関係を論じます。

【司会】 小柳春一郎(獨協大学)

【発表者】
ナターシャ・アブリヌ(フランス国立科学研究センター)
 「東京におけるリート市場:香港との比較」
石川卓弥(一般 財団法人不動産適正取引推進機構)
 日本の不動産投資市場と不動産証券化:歴史と特徴」
磯貝敬智(国土交通省・建設産業局不動産市 場整備課)
 「国交省の施策とリート」

【コメンター】
アレクサンドル・ジロ(元東急リバブル、現パリ第1 大学大学院、獨協大学大学院)

【主催】 獨協大学、日仏会館フランス事務所

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

連続講演会「日仏における考古学と埋蔵文化財」

戦後の日本とフランスにおける埋蔵文化財保護行政

[ 講演会 ]

使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2013年10月26日(土) 16:00 - 18:30
場所: 1階ホール
【講師】
ジャン=ポール・ドムール(パリ第一大学、フランス国立事前考古学研究所元所長)
坂井秀弥(奈良大学文学部文化財学科)

【ディスカッサント】 稲田孝司(岡山大学)
【司会】 ロラン・ネスプルス(日仏会館・フランス国立日本研究センター)

【要旨】(ドムール)
フランスは、事前考古学という政策分野では、かなり後発の国だといえる。そもそもフランスは、歴史上、長期にわたって中央集権によって統一され、さらに19世紀まではその言語がヨーロッパの知的空間の共通語だったこともあり、国民国家的なアイデンティティの形成において、考古学はあまり重要な役割を果たしてこなかった。実際、ルーブル美術館に収められている考古学的な展示物のうち、フランス国内から発掘されたものは皆無なのである。さらに1950年代、60年代には、非常に多くの考古学的な価値を持つ遺跡が復元不可能なほどまでに壊されてしまった。こうした状況が少しずつ変化するのは1970年代に入ってからのことだ。折しもフランス社会を襲った経済危機によって、人々は、自らのアイデンティティや過去に、かつてない強いまなざしを向けるようになる。2001年になると、法的な整備がようやくととのい、国立研究所が実施する発掘調査への開発者側負担が義務付けられるようになった。しかし、この政策は保守派の政権によって非難の対象にもなっている。

【要旨】(坂井)
「戦後日本における埋蔵文化財保護行政」
 考古学の研究資料である遺跡は、日本では文化財保護法により「埋蔵文化財」として保護されており、土木工事で影響がある場合は、原則として事業者の負担により発掘調査(記録保存調査)が行われることになっている。この種の調査が発掘調査全体の大半を占め、その規模は世界屈指とされている。記録保存調査以外の、遺跡の保存・活用を目的とした調査も含めて、遺跡の調査は、都道府県と市町村の財団を含む地方行政が役割分担しながら担っている。地方行政には、主として考古学を専門とする約5900人(都道府県関係約2000人、市町村関係約3900人)の担当者が配置されている。行政が行う調査であっても考古学の水準を維持し、得られた成果は考古学研究に活用されるべき資料と認識されている。行政の調査により多様な遺跡が発見され、考古学・歴史研究に大きな役割を果たした。
 地方行政主体の調査体制は、地域に根差した調査を可能にし、地域史の解明とそれに基づく保存・活用や地域づくりを推進する点において大きな意味をもっている。日本では、遺跡は地域に対する愛着と誇りをもたらす拠り所であり、地域の文化財は地域で保存し活用するという考え方がある。そのため、遺跡の発掘調査を地域外の者に委ねることや、ビジネスの対象と考えることに懐疑的な感情がある。それが地方行政主体の調査体制構築を実現した大きな背景でもあるが、こうした理念の形成においては、日本は大きな民族交替を経ておらず遺跡が自らの祖先が残したものと認識しやすいことや、戦前の記念物行政や郷土教育の政策により、各地域で遺跡調査に取り組む環境が存在したことがあったことが大きいと考えられる。
 戦後から現在までの約70年間においては、1964・65年に記録保存調査は地方行政が主体となる方針が確立し、その後20年ほどでその体制がかなり整備された。しかし、1994年頃から社会のグローバル化に伴って行政改革や規制緩和が指向されるようになり、2004年には郵政の民営化や国立大学の独立法人化などの構造改革が断行され、遺跡の発掘調査も外部委託すべき業務とする見方が強まり、都道府県を主とした財団法人の調査組織が民間と位置付けられるなど、日本のよき調査体制をゆるがす状況が生まれつつある。

【プロフィール】(ドムール)
ジャン=ポール・ドムールは、ヨーロッパの先史時代を講じるパリ第一大学の教授であり、フランス大学学院のメンバーでもある。新石器時代と鉄器時代を専門とし、これまでにフランス、ギリシャ、ブルガリアなどの発掘調査に従事してきた。2001年に発効された事前考古学法の推進者のひとりでもあり、その結果として設立されたフランス国立事前考古学研究所の初代所長を2008年まで務めた。近著として、On a retrouvé l’histoire de France (2012), Naissance de la figure (2007)がある。また共著として、ピエール・スイリとArchéologie et patrimoine au Japon (2008)を上梓している。

【プロフィール】(坂井)
奈良大学文学部文化財学科教授、博士(学術)
1955年、新潟県新潟市生まれ。1980年、関西学院大学大学院博士前期課程修了。その後1993年まで新潟県教育委員会において、県内各地の遺跡発掘調査と埋蔵文化財保護行政を担当。1993年から2009年まで、文化庁記念物課(埋蔵文化財部門)文化財調査官・主任文化財調査官として、全国各地の遺跡保存と埋蔵文化財行政の課題検討に取り組む。2009年4月から現職。
研究としては、一つは、おもに日本古代の集落と開発、生産・流通などについての地域史的実践、もう一つは、文化財保護行政論です。とくに埋蔵文化財・史跡の保存と活用、文化財と地域づくりの実践です。

【主催】 日仏会館フランス事務所
【協力】 大阪大学、日本大学経済学部
【助成】 アンスティテュ・フランセ日本
【後援】 日仏美術学会、日本考古学協会、日本遺跡学会、NGO日本イコモス国内委員会

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『スワン家のほうへ』(1913)刊行100周年記念講演会

プルースト ー 緩慢礼賛

[ 講演会 ]

使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2013年10月31日(木) 18:30 - 20:30
場所: 601号室
講演者: エリック・ファイユ (作家)
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マルセル・プルースト、『スワン家のほうへ』
1913年3月31日〜6月11日まで、添削のための張り紙
フランス国立図書館所蔵


【講師プロフィール】
エリック・ファイユ氏は、1963年生まれ。カフカ、イスマイル・カダレ、フィクションと全体主義などに関する評論のほか、中篇小説、長篇小説を発表。『私は灯台守』で1998年のデゥ・マゴ賞、『ナガサキ』にて2010年のアカデミー・フランセーズ小説大賞を受賞。

【要旨】
プルーストにおける緩慢を礼賛するのは、はかない時代、「読み捨て本」と言われるものが幅を利かせる時代になればなるほど、書斎にプルーストを備えているのがますます大きな救いになるからである。読者としてはもとより、だが作家としても、私はそう言いたい。「ウサギとカメ」の寓話にたとえるなら、プルーストはカメである。双肩に家を背負いながら、それでも遅れず、最初に到着する。プルーストは時間をかける。いわば「長距離ランナー」であり、スプリンターではない。ある意味、プルーストはお手本である。この作家は、私見によれば、フランス語の潜在的喚起力を最大限に引き出すことによって、ある詩的世界、ある雰囲気を醸し出すという快挙を成し遂げたのであり、私の考えでは、小説が発揮できる根本の力はそこにあるのだ。

【ディスカッサント】 吉川一義(京都大学)
【司会】 クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所)

【共催】 日本フランス語フランス文学会、日仏会館フランス事務所

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

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