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20世紀初め, マルクス主義の影響や輝かしい近代に体現された科学的合理性の進歩などによって, 宗教的なものは消滅し, 社会は完全に世俗化されるかのように見えた. しかし, 21世紀を迎えた今, 世界的な規模で宗教的なものはめざましい復活を見せている. この復興は, 政治による大規模な道具化, 増殖する共同体の内部で信仰の細分化, 信仰の方法の個人化の間で, 様々に固有の形式を取るに至った. 日仏の著名な宗教学者によるこの討論会では, 以上の問題について意見を交わしながら, ユーラシア大陸の異なった地域に固有の特異性を明らかにする.
- ダニエル・エルビウ=レジェ(フランス国立社会科学高等研究院)
社会学者. 現在フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)学長. EHESS内に「宗教に関する学際研究センター (CEIFR)」を創設し, 長年にわたってセンター長を務める。著書に La religion en miettes ou la question des sectes (Calmann-Lévy, 2001), Le catholicisme français : la fin d'un monde (Bayard, 2003) などがある. - 島薗進(東京大学)
東京大学文学部・大学院人文社会系研究科教授 (宗教学・宗教史学). 近代日本の宗教の歴史, 現代日本人の生活や思考における宗教の位置などを中心に, 現代世界における宗教について幅広い考察を行う. 著書に『現代救済宗教論』(青弓社, 1992年), 『現代宗教の可能性 — オウム真理教と暴力』(岩波書店, 1997年), 『ポストモダンの新宗教 — 現代日本の精神状況の底流』(東京堂出版, 2001年) などがある.
- 主催:日仏会館
- 協力:フランス国立社会科学高等研究院
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